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Press Release

インドで携帯電話基地局エネルギーマネジメントシステムの有効性を確認

―ディーゼル燃料の消費量を8割超、CO2排出量を6割削減―
2017年10月6日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 古川一夫

NEDOは、2013年度からインド各地で取り組んできた「携帯電話基地局エネルギーマネジメント実証事業」で83%のディーゼル燃料の消費量削減、60%のCO2排出量削減をそれぞれ達成しました。今後は、得られた成果をインド国内に広く普及させ、省エネルギーおよび環境負荷の低減に貢献します。

  • 本事業のイメージを表した図
    図1 本事業のイメージ図

1.概要

インドをはじめとする新興諸国では、通信手段として携帯電話が広く普及しており、携帯電話基地局数は拡大する傾向にあります。携帯電話基地局は、常時稼働している必要がある一方、電力事情が良くないインドでは、系統電源の停電が頻発することから、多くの携帯電話基地局で非常用電源としてディーゼル発電機と鉛蓄電池を設置しています。

このような背景の下、NEDOと日本電気株式会社(以下、NEC)、株式会社ピクセラは、日本が有するエネルギーマネジメントシステム(以下、EMS)に関する技術を導入した実証事業※1を2013年度から約3年間、インド各地の計62カ所の携帯電話基地局で実施し、EMSを20カ所に導入、また、基地局シェルターの屋根および外壁に高日射反射率の光触媒塗装を48カ所(一部重複する基地局あり)で行いました。

ディーゼル発電機と鉛蓄電池を設置した従来システムに対して、当初、本事業では50%を超える省エネ率の達成を目標としました。実際には各携帯電話基地局の系統電力の状況にも左右されますが、目標を大幅に上回る省エネ率を達成することができました。具体的には、携帯電話基地局の電力供給のために、再生可能エネルギー(太陽光発電)と鉛蓄電池より充放電効率が高いリチウムイオン電池を導入し、エネルギーマネジメントを行うことで、系統電源の供給時間に応じた効果を測定し、無停電地域から一日当たりの停電時間が数時間程度の実証局20局の平均で83%のディーゼル燃料の消費量削減が達成されました。また、日中の基地局内の温度上昇を抑制しエアコンの使用を削減する光触媒塗料の塗装を行い、平均4.3kWh/日の消費電力量の削減が達成されました。

加えて、ディーゼル燃料の消費量の削減に伴い60%の、光触媒塗料の塗装による消費電力量の削減に伴い4kg/日の、それぞれCO2排出量の削減を達成しました。

さらにこれらの成果を基にTotal Cost of Ownership(以下、TCO)※2を算出した結果、ビジネスモデルとして成り立つ可能性があることを確認しました。

NEDOは、今後も本事業の実証技術をインドの技術展示会に出展し、成果報告会での成果の発信を通して、インド国内への本技術の普及に向けた活動を行い、環境負荷低減に貢献します。

太陽電池(PV)の写真 リチウムイオン蓄電池(LiB)の写真 EMS屋外局の写真
図2 太陽電池(PV) 図3 リチウムイオン
蓄電池(LiB)
図4 EMS屋外局

2.今回の成果

【1】エネルギーマネジメント<NEC>

EMSを設置した携帯電話基地局では、予測最適化技術を用い、収集したデータから太陽光発電量、負荷、停電復電等を予測するとともに、予測結果に応じた最適化制御を行うことで、上記のような燃料消費量、CO2排出量のそれぞれ削減を達成しました。また、リチウムイオン電池は、インドの様々な環境下で約2年間稼働させても、発火・発煙事象は発生しませんでした。加えて、特性劣化の面でも放電量維持率は70%以下になることはなく、安全性が確認されました。

【2】光触媒塗装<(株)ピクセラ>

光触媒塗装を行った携帯電話基地局では、上記のような消費電力量、CO2排出量のそれぞれ削減を達成しました。また、白色度は、塗装後約20カ月経過後も高いレベルを維持しており、今後も引き続き省エネルギー効果が期待できます。

【3】事業性

実証で得られたエネルギー削減効果を基にTCO算出した結果、ビジネスモデルとして成り立つ収益が得られる見込みであることが確認できました。NECでは本実証事業で獲得したノウハウを生かし、今後、40万局以上の携帯電話基地局を持つインド国内における具体的な事業を検討していく予定です。

【用語解説】

※1 実証事業
事業名:  国際エネルギー消費効率化等技術・システム実証事業/携帯電話基地局エネルギーマネジメントシステム実証 事業(インド)
予算規模:7.4億円
事業期間:2013年度~2016年度
委託先:日本電気株式会社、株式会社ピクセラ
※2 Total Cost of Ownership(TCO)
システムの開発や購入、導入などにかかるコストと、利用期間中の運用や保守、管理などにかかるコスト、利用終了時の撤去や廃棄、後継システムへ引き継ぐための準備などにかかるコストなど、システムに関連する全期間にまたがる費用の 総体を意味する。(出典:IT用語辞典)

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 省エネルギー部 担当:高野、曲 TEL:044-520-5284­

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:坂本、髙津佐、藤本 TEL:044-520-5151­ E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp