本文へジャンプ

Press Release

インド・ハリヤナ州でスマートグリッド実証を本格始動

―監視制御システムと約1万台のスマートメーターを設置、実系統で実証―
2018年1月26日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
インド共和国北ハリヤナ配電公社

NEDOは、インド共和国北ハリヤナ配電公社(UHBVN)とともに、インド・ハリヤナ州パニパット市内に監視制御システムと約1万台のスマートメーターを設置し、実系統でのスマートグリッド実証事業を本格的に始動しました。

本実証事業では、パニパット市内の特定のエリアにおいて、監視制御システムにより配電系統を監視・制御するとともに、設置したスマートメーターから電力消費量のデータを集約することで、同国の配電会社が抱える課題である配電ロスを低減する技術の実証を行います。

NEDOは、本取り組みを通じて、インドの配電網のスマート化に貢献するとともに、日本のスマートコミュニティ技術の普及促進を目指します。

  • 監視制御システムとスマートメーターを活用したスマートグリッド実証事業の概念図
    図1 スマートグリッド実証事業のイメージ
  • 実証場所であるパニパット市の位置を示す地図
    図2 実証場所

1.概要

インドでは、経済成長に伴い電力需要が増大する中、インフラ整備の遅れから慢性的な電力不足、長い事故停電時間、盗電・電力メーター改ざんなどが起こっており、これらの問題解決のために、配電会社においては、スマートメーターなどのスマートグリッド関連技術の導入による配電設備・システムの拡充が喫緊の課題となっています。そのため、インド政府は配電ロスの少ない次世代配電網の構築を目指す政策を掲げるなど、スマートグリッド関連技術への関心は高く、現在、インド電力省主導の下、14の配電網のスマート化パイロットプロジェクトが推進されています。このような背景の下、NEDOは、同国の配電会社が抱える課題解決に貢献するため、インド電力省などと、ハリヤナ州パニパット市を対象としたスマートグリッド関連技術実証事業と、キャパシティ・ビルディング事業の実施に関する基本協定書(MOU)を2015年12月2日に締結し、事業を実施してきました。本事業は、インド政府が掲げる14の配電網のスマート化パイロットプロジェクトの一つとして位置付けられています。

今般、NEDOは、スマートグリッド関連技術実証事業において、インド共和国北ハリヤナ配電公社(UHBVN:Uttar Haryana Bijli Vitran Nigam Limited)とともに、パニパット市内に監視制御システムおよび約1万台のスマートメーターを設置し、実系統でのスマートグリッド関連技術実証事業を本格的に始動しました。

本実証事業は、富士電機株式会社と住友電気工業株式会社が委託先として事業を担当しており、パニパット市内において、監視制御システムにより配電系統を遠隔で監視・制御するとともに、設置したスマートメーターから電力消費量のデータを集約し、(1)ピークロード低減技術、(2)配電系統監視・制御技術、(3)盗電・電力メーター改ざん・料金徴収漏れなどの配電ロス低減技術を通じて、同国の配電会社が抱える課題である配電ロスを低減する技術の実証を行います。また本実証で使用するスマートメーターは、2種類の異なる通信方式(RFメッシュ※1、TWACS※2)を搭載しており、両者を比較し、その適用可能性についても実証を行います。また、現地EESL※3のプロジェクトの一環で、2020年末までにパニパット市において、本実証とは異なる通信方式(GPRS※4)での12.5万台のスマートメーターの導入計画もあり、これらから取得されるデータも、本実証の監視制御システムに集約させることで、本実証を通じて、3種類の通信方式によるスマートメーターデータを比較し、エリアごとの通信方式の最適化を検証します。なお、設置したスマートメーターは、インドのモディ首相が提唱する「Make in India」にもとづきインドで現地生産されたもので、実証設備の設置工事については、インドの配電会社が担当しました。

また本実証事業と併せて、THEパワーグリッドソリューション株式会社を委託先として、配電ロスの低減、柱上変圧器故障率の削減、停電頻度の改善などの解決に向けて、インドの配電会社が日本のスマートグリッド関連技術を効果的に活用できるように、当該技術の活用方法を含めた配電システムの運用ノウハウなどの提供を行うキャパシティ・ビルディング事業も実施しています。

NEDOはこれら事業を併せて行うことで、インドの配電網のスマート化に貢献するとともに、日本の優れたスマートグリッド関連技術の有効性を示し、日本技術の海外普及および日本企業によるインド国内での事業展開の足掛かりとなることを目指します。

2.運転開始式

実系統でのスマートグリッド関連技術の実証事業の開始に合わせて、1月25日にパニパット市内のオペレーションセンターにおいて運転開始式を行いました。式典は、ハリヤナ州のマノーハル・ラル州首相を来賓に迎え、NEDOの佐藤理事、富士電機(株)の五嶋賢二執行役員、住友電気工業(株)インド法人の木下貫社長、THEパワーグリッドソリューション(株)の加藤陽一副社長、在インド日本大使館の曽根健孝公使、UHBVNのシャトルジート・カプール会長兼社長ほか多数の関係者が参加しました。

【用語解説】

※1 RFメッシュ
Radio Frequencyメッシュの略称で、伝送メディアとして無線を使用し、データをバケツリレー方式でスマートメーター間を伝送し、目的の装置まで伝送する通信方式。
※2 TWACS
Two-Way Automated Communication Systemの略称で、変電所とメーターを直接接続する電力線搬送であり、システム構成が簡易で通信インフラが不要なので、開発途上国向けのインフラに適した通信方式。
※3 EESL
Energy Efficiency Services Limitedの略称で、エネルギー効率プロジェクトの実施を促進するため電力省の下に設立されたインド政府系公共事業企業4社による合弁会社。市場価格と比較して手頃な価格の電化製品を人々に提供し、エネルギー効率の良い電化製品の普及を目指している。
※4 GPRS
General Packet Radio Serviceの略称で、携帯電話網を使った通信方式。

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO スマートコミュニティ部 担当:横溝、寺門、萬木、藤本、中 TEL:044-520-5274

NEDO 国際部 担当:大嶋 TEL:044-520-5190

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:髙津佐、藤本、坂本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp