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Press Release

世界最高クラスの高出力・高輝度青色半導体レーザーを製品化へ

―金や銅などの加工用光源への応用に期待―
2018年1月25日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
株式会社島津製作所
国立大学法人大阪大学

NEDOプロジェクトの成果をもとに、(株)島津製作所は、世界最高クラスの高出力・高輝度青色半導体レーザーを製品化します。

本製品は、NEDOプロジェクトで同社が大阪大学と共同開発した青色半導体レーザー技術を実用化したもので、出力100Wと輝度1.3×106W/cm2の高出力・高輝度を実現しています。従来の青色半導体レーザーでは実現できなかった金や銅などの熱伝導溶接、レーザーマーキング、3Dプリンタでの積層向けの光源への応用が期待でき、加工時間の短縮や消費電力の低減に貢献します。

(株)島津製作所は、同社が展開する青色半導体レーザー「BLUE IMPACT」シリーズのラインアップに今回開発した製品を加え、1月30日から販売を開始します。

  • 製品化される高出力・高輝度青色半導体レーザーの外観
    図1 高出力・高輝度青色半導体レーザー

1.概要

青色半導体レーザー※1は、金属に対する吸収効率が高く、従来の赤外半導体レーザーでは加工が困難だった金や銅などの加工に適しているため、金属加工用次世代レーザー加工機の光源への応用が期待されています。しかし、これまで青色半導体レーザーの用途は、プロジェクターや照明、ヘッドマウントディスプレイなどさまざまな機器の光源として広がってきているものの、高出力化と高輝度化を課題としており、本格的な金属加工への利用はまだ進んでいません。

そこで、NEDOプロジェクト※2において、株式会社島津製作所と国立大学法人大阪大学は、日亜化学工業株式会社の協力のもと、金属加工用レーザー加工機の光源として応用可能な高出力かつ高輝度な青色半導体レーザーを実現するための研究開発を進めています。2017年10月24日には、世界で初めて※3青色半導体レーザーの高輝度化により、純銅を積層造形できる3Dプリンタを実現しました。

今回、この研究成果をもとに、(株)島津製作所は、世界最高クラスの出力100W・輝度1.3×106W/cm2(直径100μmのスポット)の青色半導体レーザーを製品化します(図1)。この製品は、従来の青色半導体レーザー製品に対して5倍の出力と輝度※4を達成しており、従来の製品では実現できなかった、金や銅などの熱伝導溶接、レーザーマーキング、3Dプリンタでの積層向けの光源などへの応用が期待できます(図2)。(株)島津製作所は、同社が展開する青色半導体レーザー「BLUE IMPACT」シリーズに今回開発した製品を加えて1月30日から販売を開始し、金属加工用レーザー加工機向け光源として、さらなる展開を図ります。

なお、(株)島津製作所と大阪大学は、2018年1月30日から2月1日まで米国サンフランシスコで開催される「Photonics West 2018」に今回製品化する高出力・高輝度青色半導体レーザーを出展します。

  • 高出力・高輝度青色半導体レーザーで3Dプリンティングした純銅のサンプル
    図2 高出力・高輝度青色半導体レーザーにより3Dプリンティングした純銅のサンプル(左)と
    元にした3Dモデル(右)。写真左のサンプルは下半分が銅粉内に埋もれている状態。

2.今回製品化する高出力・高輝度青色半導体レーザーの特徴

【1】世界トップクラスの出力と輝度を実現

多数のレーザー素子からの光を合成してコア径100μmの細径ファイバーに集約することで、同径においてこれまでの青色半導体レーザーでは実現できていなかった世界最高クラスの高出力(100W)かつ高輝度(1.3×106W/cm2)を達成しました。一般に、金属表面を十分に溶融させるには1.0×106W/cm2以上の輝度が必要とされるのに対し、本レーザーはこれを上回る輝度を達成したことで、青色半導体レーザーによる本格的な金属のレーザー加工が可能になります。レーザーを照射して表面を溶融する熱伝導溶接、レーザーマーキング、3Dプリンタでの積層向けの光源などとしての使用が期待できます。

【2】光源としての高い応用可能性

波長450nmの青色半導体レーザー素子複数個からの光を一本のファイバーに集光・伝播させているため、100Wの青色半導体レーザーをフレキシブルに取り回すことが可能です。また、独自の精密溶接工法を用いた構造により、光源としてはH88mm×W430mm×D420mm(ファイバーを除く)とコンパクトであり、他の機器への組み込みが容易です。レーザーの出力はパソコンから制御可能であり、連続出力から最大10kHzの変調駆動ができます。加工部周辺への影響が最小限の入熱量で金属を加工可能なため、熱変性領域の小さい高品質・高効率な加工が期待でき、さらなる加工時間の短縮や消費電力の低減にも貢献します。

【用語解説】

※1 青色半導体レーザー
波長400nm~460nmの範囲の青色光を発振する半導体レーザー。
※2 NEDOプロジェクト
高輝度・高効率次世代レーザー技術開発/次世代レーザー及び加工の共通基盤技術開発/レーザー加工プラットフォームの構築/高輝度青色半導体レーザー及び加工技術の開発 (2016年度~2020年度(予定))
※3 世界で初めて
2017年10月24日付NEDOニュースリリース「世界初、青色半導体レーザーの高輝度化により純銅を積層造形できる3Dプリンタを開発」当時の情報。
※4 従来の青色半導体レーザー製品に対して5倍の出力と輝度
(株)島津製作所の青色半導体レーザー「BLUE IMPACT」20Wモデルとの比較。

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO IoT推進部 担当:須永、服部 TEL:044-520-5211

(株)島津製作所 広報室 TEL:075-823-1110

大阪大学 接合科学研究所 教授 塚本 TEL:06-6879-8675 E-mail:tukamoto@jwri.osaka-u.ac.jp

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:藤本、髙津佐、坂本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp