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Press Release

固体酸化物形燃料電池について業界トップクラス52%超の発電効率を達成

―今後、実環境下で4000時間の連続運転を実施へ―
2018年2月26日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 古川一夫

NEDO事業において、日立造船(株)は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)を大阪市の花博記念公園鶴見緑地内にある「咲くやこの花館」に設置し、実証実験を行った結果、業界トップクラスとなる発電効率52%超を2月6日に達成しました。

今後、実負荷環境下で耐久性評価に必要な4000時間の連続運転を行い、本装置の安全性や信頼性の評価を行う予定です。

  • 咲くやこの花館の設備棟前に設置した業務・産業用固体酸化物形燃料電池
    図1 咲くやこの花館の設備棟前に設置した業務・産業用固体酸化物形燃料電池(SOFC)

1.概要

NEDOは、燃料電池の普及促進・市場拡大を図るために、業務・産業用燃料電池システムの実用化に向けた取り組みを進めてきました。NEDO事業※1の助成先の日立造船株式会社が開発した業務・産業用固体酸化物形燃料電池(SOFC)発電装置を、大阪市建設局管理施設である花博記念公園鶴見緑地内の「咲くやこの花館」の設備棟前に設置し、1月26日から実証実験を開始しました。その結果、業界トップクラスとなる発電効率が52%超(モノジェネレーション実証※2)を2月6日に達成しました。この効率は、発電に必要な補機動力を加味したAC送電端効率です。実証実験の実施にあたっては、大阪市の協力を得ています。

今回の実証装置は、メタンを主成分とする都市ガスを改質して得た水素を燃料とした小型分散型電源でエネルギー効率が高く、省エネルギー性に優れたシステムであり、低騒音・低振動・CO2排出量削減の面で高い環境性が期待されます。今後、実負荷環境下で耐久性評価に必要な4000時間の連続運転を行い、本装置の安全性や信頼性の評価、および設備導入によるメリットを確認する予定です。

なお、この実証実験は、日立造船(株)と大阪市が、先進的な水素プロジェクトの創出をめざす大阪府および大阪市の共同の取り組みである「H2Osakaビジョン推進会議※3」に参画して進めるものです。大阪府および大阪市は、燃料電池を分散電源として導入し、将来のエネルギーの有効利用手段として、必要な製品と位置付けています。咲くやこの花館での実証実験は、今回のNEDO事業において、地方独立行政法人大阪産業技術研究所に続き、2サイト目の実証事業となります。

2.今回の実証事業の内容

  • (1)装置名:業務・産業用固体酸化物形燃料電池(SOFC)発電装置
  • (2)装置の仕様:
    • a. 使用燃料 都市ガス13A(主成分はメタン)(中圧供給にて実証)
    • b. 定格出力 20kW級
    • c. 発電効率 52%超 (AC送電端効率、総合エネルギー効率90%超)
    • d. 本体寸法 幅2.2m×長さ4.3m×高さ2.8m(換気フード、排気管除く)
  • (3)装置の特長:
    • a. 省エネルギー(小型分散型電源で高いエネルギー効率)
    • b. 高環境性(クリーン、低騒音、低振動、CO2排出量削減)
  • (4)期間:
    2017年12月1日~2019年3月末日、または目標運転時間到達日
    実証実験は2018年1月26日に開始
  • (5)実証場所:
    花博記念公園鶴見緑地内 咲くやこの花館の設備棟前
  • (6)実証内容:
    都市ガス13A、中圧ガス供給での実負荷環境下において、4000時間以上の連続運転を行い、安全性や信頼性の評価、および設備導入によるメリットを確認する。

3.今後の予定

日立造船(株)は、業務・産業用固体酸化物形燃料電池(SOFC)発電装置について、市場規模・採算性を考慮し、20~数百kWまでの食品スーパー、コンビニ、オフィスビル、集合住宅などを対象とした2018年度内の市場導入を目標に開発を進めています。また、小型化、分割搬入可能な形状構造化、および災害時の防災電源化に向けて開発実証中です。今後、実負荷環境下で耐久性評価に必要な4000時間の連続運転を行い、安全性や信頼性の評価を行います。

  • 日立造船(株)の今後の業務・産業用SOFCの推進イメージを表した図
    図2 日立造船(株)の今後の業務・産業用SOFCの推進イメージ

【用語解説】

※1 NEDO事業
名称:
固体酸化物形燃料電池等実用化推進技術開発/
固体酸化物形燃料電池を用いた業務用システムの実用化技術実証/
固体酸化物形燃料電池(SOFC)による業務用・産業用システム実証および事業化検討
期間:
2014~2017年度
内容:
業務・産業用固体酸化物形燃料電池(SOFC)発電装置の製品化および事業化のために、10kW級ベンチの試作、20kW級社内実証機の製作・試験、20kW級社外実証機の製作・試験、20kW級社外実証機の社外実証、耐久試験最低2,000h以上、目標4,000h 社外2サイト、事業化検討に取り組むもの。
※2 モノジェネレーション実証
本装置は電気と熱の両方の供給が可能な仕様のものです。電気と熱の両方を供給することを一般的にコージェネレーションと呼びます。本装置は、初期発電効率52%超、熱回収効率38%で、総合エネルギー効率90%超のコージェネレーションの能力を有していますが、「咲くやこの花館」の設備棟前にて実施する実証試験においては、電気のみを供給する実証を行います。電気と熱を供給するコージェネレーションに対して、電気だけを供給することをモノジェネレーションと呼びます。
※3 H2Osakaビジョン推進会議
大阪府および大阪市は、水素・燃料電池関連分野における今後の取り組みの方向性を示した「H2Osakaビジョン」の実現に向け、産・学・官が協力して取り組むことにより、地域の特徴を活かした水素エネルギーの利活用の拡大および水素・燃料電池関連産業振興の機運醸成を図ることを目的として、H2Osakaビジョン推進会議を2016年8月から運営しています。
H2Osakaビジョンでは、水素エネルギーにおける幅広い分野での実証事業等のプロジェクトを民間企業と連携して創出し、事業者の研究開発成果を実用化や事業化につなげることを取り組みの方向性に掲げています。

4.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 新エネルギー部 担当:門脇 TEL:044-520-5261

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:藤本、髙津佐、坂本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp