「次世代省エネルギー基準(平成11年省エネルギー基準)」は、日本の住宅の省エネルギー性を高めるために、断熱や気密、冷暖房に関する基準を定めたものです(「住宅に係る建築主等および特定建築物の所有者の判断基準」と「設計、施行及び維持保全の指針」の2つからなります)。
この基準は昭和55年に初めて定められ、平成4年に一度改正されましたが、21世紀の住まいづくりに照準を合わせて平成11年に全面的に改正されました。あなたの住まいがいつ建てられた住宅なのか?によって、ある程度住まいの省エネ度を知る目安にすることができます。
次世代省エネルギー基準には、断熱性や気密性の目安が基準値として示されています。
断熱性を示すのが「熱損失係数(Q値:キューチ)」で、気密性を示すのが「相当すき間面積(C値:シーチ)」です。
熱損失係数(Q値)は、住まいの断熱性能を示す値で、取り込んだエネルギーをいかに失わないかを表した数値です。具体的には室内外の温度差が1℃のとき、家全体から1時間に床面積1m²あたりに逃げ出す熱量のことを示します。Q値が小さければ小さいほど、住宅の断熱性が高い家ということになります。たとえば冬に、寒くなった部屋を暖房であたためても暖房を止めるとすぐにまた寒くなるならば、「Q値」が大きく熱が出入りしやすいということを示しています。
地域によって気候条件が異なるため、Q値の基準値も地域によって異なります。ちなみに首都圏の大部分の地域では基準値は2.7 W/m²Kに設定されています。


※1 建物の部位ごとに逃げる熱量の合計
※2 吹抜け部分の該当床面積も延床面積に含まれる
相当すき間面積(C値)は、家のすき間を測定して、すき間の面積を床面積で割った値のこと。すき間の測定方法を簡単に紹介しましょう。換気口など計画的にあけた穴を全部ふさぎ、室内の空気を送風機で強制的に外に出します。この時に生じる気圧差と風量でC値が分かります。


Q値と同様にC値も地域ごとに基準値があり、首都圏は5.0cm²/m²以下に設定されています。
平成11年に全面的に改正された「次世代省エネルギー基準」では、日本全国の気候条件に応じてI〜VIの地域に分け、その地域区分ごとに断熱や気密、日射遮蔽の基準値※が示されています。この基準値は、それぞれの地域の気候に合った性能の住宅を建てる目安になります。
次世代省エネルギー基準の目的は、住まいの断熱・気密性能を上げ、冷暖房のエネルギー消費による熱負荷を、改正前の基準に比べて大幅に低減することとしています。(地域によって差はありますが全体で20%程度の低減)
そのため、基準内容は以前よりも厳しいものとなっています。具体的には、住宅を建てる際に基準となる性能を規定した「建築主の判断基準」と、具体的な仕様からなる「設計・施工の指針」からなり、以下の図に示す「判断基準」、「指針」のいずれかを選択して適合させることを努力義務として推奨しています。


注)地域の区分は都道府県分類によりご紹介していますが、運用は市区町村単位で行われています。
※ 日射遮蔽の基準値のひとつに、夏期日射取得係数があり、これは「全く遮蔽がないと仮定した場合に取得できる日射熱量」に対する「実際に建物内で取得される日射熱量」の冷房期間中の平均的な比率のことをさします。
ところで、省エネルギー住宅の普及はどこまで進んでいるのでしょうか。国土交通省の発表によると、省エネ基準適合率(住宅性能表示制度による評価を受けた住宅のうちで平成11年省エネ基準に適合している戸数が占める割合)は、平成12年度の13.4%から平成17年度30.3%へと概ね順調に向上しています。まだまだ多いとはいえないようですが、ここ数年の環境意識の高まりにあわせて、次世代省エネルギー基準を満たす住宅が増えてきました。これから住まいづくりやリフォームを検討されている方は、ぜひ次世代省エネルギー基準をクリアした快適で経済的なマイホームをめざしたいものです。
では、平成11年に改正された次世代省エネルギー基準をクリアしている住宅だけが省エネ住宅と呼べるのでしょうか。
省エネ住宅とはそもそも、住宅の断熱性と気密性を高めることで室内と外との熱の出入りを少なく抑え、冷暖房機器によるエネルギー消費を減らすなど省エネに配慮した住宅を広く指すものであり、基準値のクリアだけを問うものではありません。エネルギー消費量を増やすことなく住宅の居住性・快適性も向上させるという、環境への配慮と快適な暮らしを両立させるものです。
その取り組み方には様々なものがありますので、次の章から具体的にご紹介します。あなたの家で、さっそく取り入れられそうな省エネ対策を見つけてください。
日本の国土は南北に長いという特徴を持っていますので、一概には他の先進諸国と比較することはできませんが、寒冷地では緯度が高く寒さの厳しい西欧諸国と肩を並べています。
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