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NEDOのがん対策プロジェクトの現状

デジタル病理学ががん診断を変える

図1 全スライドにおける特徴量の視覚化および図2 画像処理によりがん細胞の組織を見分ける

 本プロジェクトでは、「病理医不足」と「定量性、再現性の更なる向上」という従来の病理診断の問題認識をベースに、特に判定が難しい早期がんに対して、医師の経験などによるばらつきを、より少なくかつ再現性良く判定するための定量的な病理診断手法の開発を目的にしています。
 具体的には、経験を積んだ専門医でも診断が難しいと言われる、早期の肝がんの診断技術の開発です。診断の基準とする特徴量を何にするのか、そしてそれはどのような画像処理手法を適用すれば、再現性良く把握することができるのかということが開発のポイントです。現在、デジタルデータ化した病理画像データからいくつかの特徴量を選び出し、実用レベルの有効性を確認する段階まで来ています(図1・2)。今までなかなか診断が難しかった早期の肝がんの診断ができれば、それ自体価値あることですが、早期ということで治療方法の選択肢が広がる可能性があることもさらなるメリットと言えます。
 もう一つのアプローチは、蛍光イメージング※1による超高精度ながん組織診断技術の開発です。この1粒子蛍光ナノイメージングについては、従来にない非常に高輝度の蛍光粒子が開発できており、分子免疫染色※2で形態情報を見つつ、蛍光輝点による定量的な病理診断を行うことが可能になっています。従来の病理診断に定量的な指標が加わることにより、さらに精緻で再現性の良い診断手法を提供できると考えられます。また、がんの性質や状態に関する新たな情報を取得する期待も持てる技術だと思います。

  • 1 【蛍光イメージング】蛍光色素や蛍光タンパク質を特定のタンパク質や分子と結合させることで、細胞や分子の所在や挙動を可視化する技術。
  • 2 【分子免疫染色】抗原と抗体の反応(免疫反応)を利用して、特定のタンパク質などを検出する手法。


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定期広報誌「Focus NEDO」第46号より