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NEDOのがん対策プロジェクトの現状

血液検査でがんを見つける

図5 血液へのスパイク実験写真および図6 CTCの分離

 最近、より早期にがんを発見するための新たな診断方法として、CTC(血中循環腫瘍細胞)※5による診断技術が注目されています。CTCは、1869年に最初の例が報告されていますが、がん診断技術としては一般的には用いられていませんでした。それは、CTCが、がん患者の血液1mℓ中に血液細胞が約50億個存在するなかに、10個程度しか存在しない、非常に捕捉しづらいがん細胞であるからです(図5)。しかし、最近の研究により、このCTCを数えることが、がんの早期発見や治療効果・転移の早期確認に役立つのではないかと言われています。実際にCTCを検出することが可能になれば、がん患者にとって検査の身体的負担も少ない診断法になると言えます。本プロジェクトでは、三つの異なる手法を用いてCTCの数を正確に把握し、さらに捕捉する手法について鋭意検討をしているところです(図6)。
 もし実際にCTCを捕捉することができ、その遺伝子診断まで可能になったとすれば、CTCはがん細胞そのものですから、がんがどこから来てどこに行こうとしているのか、がんの性質、状態はどうなのかといった、従来は得られなかった情報が、血液中のCTCを検査するだけで的確に把握することができるようになるかもしれません。身体に負担のかからない診断法として、その可能性に大いに期待しているところです。

  • 5 【CTC(血中循環腫瘍細胞)】 circulating tumor cellsの略。がん転移は原発巣のがん細胞が血液やリンパ液を介して転移巣へ移動することにより起こるが、このとき血中を移動するがん細胞のことを指す。


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定期広報誌「Focus NEDO」第46号より