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再生可能エネルギーの利用拡大


再生可能エネルギーの利用拡大

普及が期待されている再生可能エネルギーですが、太陽光発電や風力発電の出力は天候に左右されるため不安定であるという課題があります。再生可能エネルギーで発電した電力を既存の電力網で利用するためには、電圧や周波数などを調整する必要があります。その役割を担うパワーコンディショナーなどの装置にパワーエレクトロニクスが不可欠であり、次世代パワーエレクトロニクスを採用することで、より効率的に再生可能エネルギーを利用することが可能になります。

■ 再生可能エネルギーを徹底的に活用! ■

低電力損失のエネルギーインフラを実現する

 発電や送電などのエネルギーインフラの分野でも、電力損失の少ない次世代パワーエレクトロニクスには大きな期待が寄せられています。特に今後、普及が進むと見られている再生可能エネルギーの分野は、電力を安定的かつ効率的に供給するために次世代パワーエレクトロニクスが広く活用される分野といえます。
 再生可能エネルギーを利用するためには、交流・直流の変換や発電量の変動に対応する、パワーコンディショナーが必要です。パワーコンディショナーにSiC(炭化ケイ素)パワーエレクトロニクスを採用することで、電力損失が少ない、より効率的な電力変換を実現することができます。
 NEDOプロジェクトにおいては、SiCパワーデバイスとして、2008年にオールSiCインバーターを試作し、Si(シリコン)インバーターと比較して、体積1/4、電力損失70%低減を実現しました。そして2009年から、SiCインバーターを太陽光発電用パワーコンディショナーに適用する開発を行っています。その結果、98%の電力変換効率を実証しました。これは現在の普及品(Siインバーター)と比較して、2倍以上の電力損失の低減に相当します。

再生可能エネルギーをムダなく使う

SiCパワーエレクトロニクスによる小型化の実現

図3 SiとSiCパワーデバイスの効率の比較

 太陽光発電や風力発電などは、天候に左右されるため、常に一定の発電量を保つことが難しいという課題があります。
 SiCパワーデバイスはSiパワーデバイスと比較して発電電力量が少ない場合でも、電力変換効率が高く、電力損失が低いという特徴を有しています。これにより、出力の変動が大きい再生可能エネルギーを有効に利用することができます(図3)。
 例えば、SiCインバーターの採用によって、2%の電力損失低減が実現した場合を考えてみます。2020年に見込まれる太陽光発電の普及量(設備容量)は約2800万kW(稼働率12%)で、そのうちの30%がSiからSiCパワーコンディショナーに置き換えられたとすると、1年間で1.7億kWhのエネルギーを有効に利用することができます。
 太陽光発電だけではなく、風力発電機にも搭載されているインバーターがSiC化することによっても、一層の電力損失の削減が見込まれます。再生可能エネルギーには大きなニーズがあり、電力を無駄なく利用できる次世代パワーエレクトロニクスは、エネルギーの安定供給の面からも期待されています。

北海道苫前町上平のウィンドファームと山梨県北杜市のメガソーラー

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定期広報誌「Focus NEDO」第48号より