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地球温暖化に立ち向かう環境技術イノベーション

CO2冷媒の機器も実用化。23%の消費電力削減と60%のCO2排出量削減に成功

2002年にはフロン類の回収・破壊を義務づけた「フロン回収・破壊法」が施行され、さらに、2015年4月にこれが全面的に改定されて、フロン類の製造から廃棄までのライフサイクル全体を見据えた、包括的な対策実施を目的とした「フロン排出抑制法」が施行されました。

こうした規制を背景として、NEDOでは「ノンフロン型省エネ冷凍空調システム開発」(2005~2010年度)で、スーパーマーケット等で使用される冷凍冷蔵ショーケースについて、冷媒をフロン類からCO2に転換した機器の研究開発を行いました。このプロジェクトによって実用化されたショーケースは、消費電力が-23%という省エネルギーと、システム全体で約60%のCO2排出量削減に成功しており、すでに店頭に多数導入されています。CO2のGWPが1.0ということから考えると、究極の低GWP冷媒だともいえるでしょう。ただ、CO2は高圧下でないと冷媒としての効率が悪くなるため、機器の複雑化は避けられず、コスト低減が今後の課題といえます。

CO2を冷媒に使用した省エネ冷凍冷蔵システムの実店舗での実証

 

NEDOは、CO2冷媒冷凍冷蔵ショーケースを実際の店舗に導入し、現場環境における運転条件に合わせた信頼性の確保や性能向上、普及のための技術課題解決等の技術実証に関する支援を実施しました。(実施者:パナソニック株式会社アプライアンス社)

店舗内の冷凍ショーケース

店舗内の冷凍ショーケース

店舗の屋上に設置されたノンフロン冷凍機

店舗の屋上に設置されたノンフロン冷凍機

さらに技術的ハードルの高い冷暖房機器の開発に挑戦

現行の「高効率ノンフロン型空調機器技術の開発」(2011~2015年度)では、上記プロジェクトで冷凍冷蔵システムといった“冷やす”技術に目途がついたことから、冷暖房に利用する業務用空調機器分野へと、開発の対象を特化しました。ここで開発中の新冷媒(主成分:HFO-1123)のGWPは、業務用空調機器に使われている従来の冷媒(HFC-410A)の約6分の1であり、家庭用ルームエアコンに使われている最もGWPが低い代替フロン冷媒(HFC-32)と比べても、約2分の1となっています。

このように、NEDOが今後取り組むべき分野として重視しているのは空調機器分野です。冷媒は低GWPのものほど燃焼性を持つ傾向があり、冷暖房という広い温度帯に対応する機器のエネルギー効率を確保した上で、低GWPと安全性を両立させるためには、たいへん難しい技術的な課題を克服しなければなりません。また、今後は業務用といった大型のものに続き家庭用を含む中小型空調機器を対象に、高効率かつ低GWPを実現する技術開発を進めていく予定です。これら技術の実現には、安全性や低コスト化などまだまだ多くの課題がありますが、NEDOはこれからも困難かつ未踏の技術的課題に挑戦し、地球温暖化対策に貢献していきます。

フロン類をめぐる規制とフロン対策の流れ 国内外の規制動向

定期広報誌「Focus NEDO」第59号より