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地球温暖化に立ち向かう環境技術イノベーション

2015年春には世界最高レベルのエネルギー変換効率2%を達成

NEDOは本プロジェクトで、三つの研究テーマに取り組んでいます。「①光触媒とそのモジュール開発」「②分離膜とそのモジュールの開発」「③合成触媒の開発」です。本プロジェクトが目指す新しい製造プロセスでは、まず、①光触媒によって水を水素と酸素に分解し、次に②分離膜によって水素と酸素の混合ガスから水素を分離します。最後に③合成触媒によって水素と二酸化炭素からオレフィンを生成します。①から③はいずれも重要な研究ですが、技術的に最もハードルが高く、欧米を中心に世界中の研究者も競って取り組んでいるのが①の光触媒の開発です。

光触媒は、太陽エネルギーを化学エネルギーに変換する物質ですが、これまでの紫外光領域だけではなく、可視光から赤外光領域にかけての光も利用できるように、光触媒の吸収波長を長波長化することが課題の一つです。また、効率的なエネルギー変換を可能にするため、触媒材料の低欠陥化にも取り組んでいます。その結果、2015年3月には水からの水素製造では世界最高レベルの太陽エネルギー変換効率2%を達成しました。自然界の光合成の変換効率が0.2%であることを考えるとかなり高い効率といえますが、既存の石油由来化学品との経済性を考慮し、本プロジェクトでは、2021年度までに実用化に必要な変換効率として、10%を最終目標としています。

②の分離膜の開発では、水素と酸素の分子サイズの違いを利用して、水素を選択的に分離するための材料探索を実施してきました。これまでは、水素と窒素のモデルガスを使って材料探索を実施してきましたが、今後は水素と酸素の混合ガス、水蒸気下という実使用を考慮した条件下で分離膜材料を検討し、水素を安全に分離可能なモジュールの検討に取り組みます。

③の合成触媒の開発では、触媒の組成探索と反応プロセスの最適化に取り組み、2014年度には、炭素数2~4のオレフィンの収率70%を達成しています。今後は、最終目標のオレフィン収率80%達成に向けて、合成触媒材料をさらに改良し、オレフィン選択性のさらなる向上を図っていきます。

人工光合成の概念図

定期広報誌「Focus NEDO」第59号より