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「COP21」レポート

NEDOが世界で実施するJCM

途上国とのパートナーシップで低炭素社会の構築を実現し、気候変動問題の緩和に貢献

JCMパートナー国会合

COP21で開催された「JCMパートナー国会合」で、JCM署名国代表とのフォトセッションに臨む丸川環境大臣[左から4人目]と星野経済産業大臣政務官[左から3人目]

JCM(二国間クレジット制度)は、先進国と途上国とが協力して、途上国への優れた低炭素・排出技術、製品、システム、サービス、インフラ等の普及や対策により、低炭素社会の構築を推進する仕組みです。そこで実現した温室効果ガス排出削減・吸収への貢献を定量的に評価し、検証された削減または吸収量を、両国が国際的に表明したそれぞれの温室効果ガス緩和努力の一部として使用できるものであり、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の第2条に規定される同条約の究極的な目的に合致するものです。

これまでUNFCCCの下で、温室効果ガス排出削減の実効性を高めるための国際的な枠組みとして、COP3で採択された京都議定書(第一約束期間:2008年~2012年、第二約束期間:2013年~2020年)がありました。同議定書では、先進国に温室効果ガスの削減目標を課し、その目標達成の補助的手段として、市場メカニズムを活用した京都メカニズムが認められています。これにより、自国内での削減が難しい先進国が、海外で行った排出削減等努力が自国内での削減努力として認められる道が開け、NEDOも2006年度から日本の削減目標達成に向けて事業を行ってきました。一方で京都メカニズムには、手続きの複雑さ・長期化や、クレジット(排出削減単位)の移転等に関するさまざまな問題も内包されています。JCMはこうした問題点を補完すべく、二国間の枠組みによる柔軟性と、保守性・透明性の担保による地球全体での純削減の実現をはかれる制度として日本が提唱し、2013年からモンゴルを皮切りに制度の構築、運用を開始しました。その後、バングラデシュ、エチオピア、ケニア、モルディブ、ベトナム、ラオス、インドネシア、コスタリカ、パラオ、カンボジア、メキシコ、サウジアラビア、チリ、ミャンマー、タイの16カ国に広がり、COP21では、フィリピンもJCMの構築に賛同する覚書に署名し、近い将来の参加が期待されます。また、COP21で採択されたパリ協定では、各国が自国の目標(NDC)達成のために、自主的にJCMのような、国際的な排出削減量の移転を伴う協力を行うことが一定の要件の下で認められたことで、JCMの重要性がさらに高まったといえます。

京都議定書の第一約束期間の削減目標を達成し、NEDOも新たな取り組みを推進

丸川環境大臣とNEDO理事長

COP21で開催された「JCMパートナー国会合」で、JCM署名国代表とのフォトセッションに臨む丸川環境大臣[左から4人目]と星野経済産業大臣政務官[左から3人目]

JCMを推進する日本の政策を踏まえて、NEDOでも「地球温暖化対策技術普及等推進事業」として、JCM関連事業で低炭素技術・システムの実証事業等を2011年度から開始しています。ベトナムでは、同国の省エネルギー法や関連制度と相まって、病院やホテルでの省エネルギー、インドネシアでは、エネルギー多消費産業である国営石油会社の石油精製プラントの運用最適化制御、ラオスでは同国のIT政策の中核となる国営データセンターの省エネルギー等、各国の政府機関と協力して、その国の政策上の重要度が高い実証事業を推進しています。そして、今後、こうした技術の普及による地球規模での温室効果ガス排出削減を進めることが重要になります。NEDOでは、そうした観点から案件選定やプロジェクトマネジメントを行い、JCMを活用して実証事業を通じて、今後も地球規模での気候変動問題の解決に取り組んでいきます。

JCM参加国と事業推進のための会談を実施

COP21では、JCM参加国(二国間文書に署名した国。2015年12月31日現在16カ国)のうち、現在NEDOがJCM実証事業を行っているインドネシア、ベトナム等の政府関係者と個別に会談を行い、事業の進捗報告や新たに採択された新規事業の説明を行いました。また、2015年11月に新たに16カ国目のJCM署名国となったタイの政府関係者とは、JCM実証事業のスキームや今後の展開について協議を行いました。

NEDO京都メカニズム事業推進部 宇仁菅部長と小林主幹

タイ代表との会談に臨む京都メカニズム事業推進部の宇仁菅部長、小林主幹

定期広報誌「Focus NEDO」第59号より