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連載シリーズインタビュー(Focus NEDO49号より)

日本の産業競争力を高めるNEDOの省エネルギー技術戦略
佐藤嘉晃氏写真

省エネルギーは、NEDOにとって新エネルギーと並んで重要な柱の一つです。これまでNEDOの技術開発を通して、数々の省エネルギー技術や製品が誕生しました。
今回はNEDOの省エネルギー技術開発の現状と今後の方向性について、省エネルギー部の佐藤嘉晃部長に聞きました。


(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
省エネルギー部長 佐 藤 嘉 晃

佐藤 嘉晃(さとう よしてる)1980年3月東京大学大学院工学系研究科資源開発工学専攻修士課程を修了。工業技術院公害資源研究所を経て、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構に勤務

資源小国の日本に省エネ技術開発は大きな課題

 省エネルギーは、化石燃料の寿命を延ばし、CO2排出量を削減するという世界全体の問題解決に直結する重要な課題です。また、製造に必要なエネルギーを減らしたり、効率の良い製品を開発することにより、日本の産業競争力を高めることにもつながります。
 特に、エネルギー資源が乏しい日本にとって、現在のようにエネルギー価格が高止まりしていると、日本企業がせっかく稼いだ国富が石油やガスの輸入代金に消えてしまいます。国富の確保という面からも、エネルギーの輸入量の削減は大きな命題と言っていいでしょう。そういう意味で、新エネルギーの導入と同様、省エネルギー技術開発は資源小国の日本にとって大きな課題で、この2つは車の両輪だと思います。
 日本の産業界の省エネルギー技術は世界に冠たるものがあります。製品1台あたりのエネルギー消費量は、他国の製品に比べ非常に低い。例えば、日本の自動車メーカーはハイブリッド車など燃費の優れた自動車をつくっています。
 にもかかわらず、2011年度の日本のエネルギー消費量は、1973年度に比べ、運輸部門で1.9倍、業務・家庭を合わせた民生部門で2.4倍も増えています。このためNEDO では、省エネルギー技術開発をさらに加速すべく、2つのことを柱に取り組んでいます。1つは、企業単独ではなかなか難しく産学連携などいろいろな知恵を集めて行わないとできない国家プロジェクト型の技術開発。もう1つが「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」です。

■ 最終エネルギー消費と実質GDPの推移

図1 最終エネルギー消費と実質GDPの推移

戦略的プログラムで13の重要技術の開発を推進

東京ガス外観写真  NEDOでは、広範・多岐にわたる省エネルギー技術開発の中で、その日本の省エネルギー化へ向けた潜在的なインパクトなどを勘案し、2011年に「省エネルギー技術戦略」をとりまとめ、民生、産業、運輸、横断的の4分野の中から13の重要技術を指定するとともに、その重要技術分野を中心に「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」で支援を行うこととしました。中でも、「ZEB・ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル/ハウス)」「次世代型ヒートポンプ」「パワーエレクトロニクス」「熱・電力の次世代ネットワーク(コジェネ)」の4つの技術を高い省エネルギー効果が見込めるものとして、「特定技術開発課題」を定めました。つまり、要素技術ごとに省エネルギー効率や製品化時期の目標などを設定したわけです。そうすれば、限られた政策資源を特定の開発目標に向けて効率的に投入できると考えたからです。特に目標設定においては、NEDOの各プロジェクトの担当者が尽力しました。該当する技術分野の市場動向や技術開発の達成度など、これまでのプロジェクトマネジメントによる知見の蓄積を活かして、外部の有識者と議論しながら決めました。
 こうした過程を経て、NEDOは4つの特定技術を含めた13の重要技術を早期に実用化できるように「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」を進めています。



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定期広報誌「Focus NEDO」第49号より