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連載シリーズインタビュー(Focus NEDO50号より)

安全基準の確立で2014年は「ロボット元年」に

2035年までのロボット産業の将来市場予測

―NEDOは早くからロボット開発に携わってきたと聞いていますが、まずその歴史について聞かせてください。

久木田 NEDOのロボット開発は今から25年前の1988年、通産省工業技術院から産業技術開発を引き継いで始まっています。当時は、今のようなパーソナルロボットではなく、人間が行けないようなところで作業するロボットが中心で、ロボットの可能性を探るため、総花的に行っていました。
 それが2005年の愛知万博を契機に大きく変わり、本格的な実用化に向けた動きになり、NEDOも、次世代ロボット実用化プロジェクトや生活支援ロボット実用化プロジェクトを相次いでスタートさせました。特に生活支援ロボットについては、現在集中的に進めています。


―最近、生活支援ロボットはいろいろな展示会で見かけるようになりましたが、一般には普及していないようです。どんなところに原因がありますか。

久木田 市場がまだ小さい、価格が高いなど様々な理由がありますが、安全性の基準が確立されていないことも大きな要因です。われわれとしては第三者の認証によるロボットの安全基準を作ろうとしており、今年度中にはISO化することになっています。それができると、ロボットマーケットが広がるきっかけになり、2014年は「ロボット元年」になるのではないかと思っています。


産業用ロボットに続き生活支援ロボットも世界一に

―このロボット市場は将来、どれくらいに成長しますか。

久木田 現在、生活支援ロボット市場は数百億円規模ですが、2035年には約5兆円のポテンシャルがあるとみています。産業用ロボットは約1兆円の市場規模で、日本のシェアは約半分で世界一となっていますが、生活支援ロボットについても、今のところ日本が先頭を走っていますので、この分野でも世界一に君臨したいと考えています。


―極限作業ロボットの現状はどうなっていますか。

久木田 こちらは福島の原子力発電所の事故をきっかけに様々なロボットが開発され、一気に加速しました。また、開発したロボットは、他の作業現場でも利用できるので、これから増えてくると思います。それから、中央自動車道のトンネル事故を契機に国土強靱化政策が打ち出されたので、NEDOでもインフラをチェックし、それを修復するロボットの開発をしていこうと思っています。もちろんこのロボットは社会インフラだけでなく、コンビナートの事故など様々な場面で活躍できるようにしていくつもりです。この市場も非常に大きいとみており、ロボット市場全体では10兆円ぐらいの規模になって、自動車、家電に次ぐ大きな産業になると考えています。


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定期広報誌「Focus NEDO」第50号より