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連載シリーズインタビュー(Focus NEDO51号より)

付加価値の高い材料開発が製造業の国際競争力を高める
岡田氏写真

世界中で信頼されている日本製品。その品質や機能には"材料"が大きく寄与することが知られている。NEDOは現在、さらなる高付加価値製品を実現する新しい材料を求め、"ナノテクノロジー"に注目し、技術開発を推進している。


(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
電子・材料・ナノテクノロジー部長  岡 田  武

岡田 武(おかだ たけし)1991年3月東京大学工学部航空工学科を卒業。経済産業省中部経済産業局地域経済部長、商務情報政策局情報政策課情報プロジェクト室長、内閣官房政府CIO 室参事官等を経て、2013年から(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)へ出向。

製品シェア拡大を目指しオールジャパンで取り組む

――まずナノテクノロジーとはどのような技術なのでしょうか。

岡田 物質をナノメートルといわれる10のマイナス9乗の領域、すなわち原子や分子のスケールで操り、制御する技術のことです。物質をナノレベルで変化させることで、物性が変わり、これまで考えられなかったような革新的な特性が現れます。ナノテクノロジーは革新的な材料を創り出し、イノベーションを起こす可能性を秘めています。NEDOは1992 年から研究開発に取り組んでいます。

――NEDOが材料の技術開発に取り組む意義を教えてください。

製品・部材・材料の市場規模と日系企業のシェア 岡田 私たちの身の回りの"製品"は多数の材料で構成されています。例えば、液晶ディスプレイは、材料として多数のフィルムやガラス基板が用いられています。このように製品の大元となる"材料"は、ものづくりの基盤を支える不可欠な存在と言えます。
 日本の材料産業は、世界の中でも特に高い技術力と競争力を有しています。そして、高品質の部品や材料を自動車や情報通信機器などの最終製品に提供し、日本の製造業の国際競争力を支えています。海外とのコスト競争に負けない高品質・高機能な材料の絶え間ないイノベーションが日本の生命線であり、NEDO が材料分野の技術開発に力を入れる大きな理由となっています。
 しかし、日本企業の世界シェアを見ると、材料ではシェアが高い一方、最終製品に近づくにつれてシェアが低くなっていることが分かります。このような現状から、NEDOは、単なる材料技術の開発だけでなく、出口製品を見据えて、材料企業やデバイスを開発する企業など、さまざまな企業が連携する形での、技術開発を進めています。このように異業種を組み合わせた体制で、オールジャパンとして技術開発に取り組むことができるのは国の機関であるNEDOだからこそと考えています。


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定期広報誌「Focus NEDO」第51号より