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連載シリーズインタビュー(Focus NEDO51号より)

ナノテクノロジーを実用化まで支援する

――20年近くナノテクノロジー分野に取り組んできた成果について聞かせてください。

岡田 1992年の「アトムテクノロジープロジェクト」から始まり、約20年の間にさまざまな事業に取り組み、そ の分野での重要技術を支援してきました。
 なかでも代表的な事業として、「ナノテク・先端部材実用化研究開発」が挙げられます。この事業は、革新的なナノテクノロジーのシーズ技術を有する川上機関と、その実用化を担う川下機関が一体となった垂直連携体制による提案を応募の条件とした、新しい取り組みでした。このような異業種・垂直連携の体制が功を奏し、多くの開発がスピーディーに進み、すでに実用化目前となった事例も多くあります(詳細は「ナノテクチャレンジ事業」)。
 その他の事例では、「カーボンナノチューブ(CNT)」が挙げられます。これはナノレベルの炭素材料であり、導電性、強度、熱伝導性のいずれにおいても驚異的な物性を示しています。CNTは1991年に当時NEC(日本電気株式会社)の飯島澄男博士によって発見され、NEDOは1998年から現在まで、技術開発に取り組んでいます。特に、実施中の事業「低炭素社会を実現する革新的カーボンナノチューブ複合材料開発」では、実用化が難しいとされる"単層CNT"を対象とし、その基盤技術から製品化まで一貫した技術開発を行っています。これらの取り組みにより、単層CNTを活かした製品の誕生が目前に迫っています(詳細は「日本発のカーボンナノチューブ」)。
 新しい材料を生み出すことは大変チャレンジングで時間を要するため、企業単独で取り組み続けることは容易ではありません。中長期的な視点で企業の技術開発を支えることがNEDOの役割であると考えています。

NEDOにおける材料分野事業例(過去10年間で、約40件の材料分野事業を実施)

技術シーズのマッチングと将来の社会を見据えた技術開発に取り組む

――今後、NEDOはナノテクノロジーの開発に関して、どのような点に力を入れていく方針でしょうか。

岡田 先述の通り、材料技術を実用化するためには、生み出された材料を製品に活用することが重要です。そこでNEDOは、"新機能を有する材料"と"用途"のマッチングに力を入れています。具体的には、プロジェクト実施期間中からのサンプル提供や「nano tech」などの展示会への出展を通して、積極的なマッチングに取り組んでいます。異業種間の交流を促進することで、多種多様な応用先への拡大を期待できます。
 また、技術の実用化には、その産業用途をあらかじめ明確化することが重要と考え、NEDOは企業や有識者から意見を取り込み、将来の社会の姿を描いた上で、必要な産業用途に重点を置いて技術開発に取り組んでいきます。


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定期広報誌「Focus NEDO」第51号より