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世界が注目するクリーン・コール・テクノロジー
クリーン・コール・テクノロジーで地球環境問題解決に大きく貢献在間氏写真

NEDOの技術開発の原点である石炭を環境に配慮した方法で、効率的に利用する技術が「クリーン・コール・テクノロジー」だ。その現状と今後の方向性について、環境部クリーンコールグループの在間信之主幹に聞いた。


(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
環境部クリーンコールグループ 主幹  在 間 信 之

石炭は安価で安定的な資源その重要性はさらに高まる

――石炭はいま、世界的に再び注目を集めていますが、その理由はどのようなところにあるのでしょうか。

在間 石炭は埋蔵量が多く、地域的にも採れる場所が偏っていないことが挙げられます。そのうえ、他の化石燃料に比べて価格も安く、比較的安定しており、石油や天然ガスのように高騰することもほとんどありません。そのため石炭は現在、世界のエネルギー需要全体の4分の1程度を占めていますが、2035年に向けて石炭の需要量はさらに拡大するという見通しが出ています。

世界のエネルギー資源に占める石炭の役割

――日本でも東日本大震災以降、石炭火力発電が見直されています。今後、日本のエネルギー需給に占める石炭の役割について聞かせてください。

日本の電源構成(発電電力量)

在間 資源に乏しい日本が一つのエネルギーに偏るのはリスクが伴うため、さまざまなエネルギーをベストミックスして利用することが大切です。現在の日本の電源構成においても、石炭火力発電は発電電力量の約4分の1を担っていますが、今後も石炭は引き続き重要なエネルギー源であると考えています。
 石油や天然ガスでの発電は、どうしても電気代が高くなってしまいます。その点、石炭は安く、天然ガスの3分の1程度のコストで発電できますので、日本の産業力強化という観点からも非常に重要です。
 このように、エネルギーセキュリティーおよび経済性の両面の観点から、石炭は今後とも、日本のエネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なエネルギー源となります。

日本の石炭火力発電技術は世界トップレベル

国別石炭火力発電所効率

――石炭火力発電は二酸化炭素の排出量が多いと聞いています。その点で、石炭火力発電を続けていくことに問題はないのでしょうか。

在間 日本の石炭火力発電の技術は世界トップレベルで、最新鋭の発電所では、発電効率や二酸化炭素排出原単位についてもそれぞれ42%、0.8kg/kWhと諸外国の中でも最高水準です。もし世界の石炭火力発電技術を日本のものに置き換えた場合、二酸化炭素の排出量を大幅に削減できます。
 NEDO がさらに高効率な石炭火力発電を目指して実施しているプロジェクトに革新的CO2回収型石炭ガス化技術開発(EAGLE; Coal Energy Application for Gas,Liquid and Electricity)があります。EAGLEで開発した技術は、石炭をガス化して、ガスタービンを回し、さらにその排熱を利用して蒸気タービンで発電するコンバインドサイクル発電で、発電効率を48%まで高めることができました。発電効率を高めるほど石炭の使用量は少なくて済み、二酸化炭素の排出量も減ります。


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定期広報誌「Focus NEDO」第52号より