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世界が注目するクリーン・コール・テクノロジー

二酸化炭素を排出しない石炭火力発電を目指す

――EAGLEのCO2回収・貯留(CCS; Carbon Dioxide Capture and Storage)技術について教えてください。

在間 EAGLEにおいては、石炭からガスを製造する過程で発生する二酸化炭素を直接、分離回収する技術の確立を目指しています。石炭を燃やすと、二酸化炭素が出ますが、ガスの製造過程においても二酸化炭素が発生するため、これを直接分離して回収しようというものです。しかしこれまで、二酸化炭素を回収することに多くのエネルギーが必要になるという大きな問題がありました。
 そこでEAGLEプロジェクトでは、そのエネルギーの削減に取り組み、化学吸収法や物理吸収法を使って、約30%のエネルギー削減に成功しました。
 EAGLEのパイロット試験は今年度で終了しますが、EAGLEの成果を活かし、広島県の大崎発電所で現在、「大崎クールジェンプロジェクト」と呼ばれる大型実証試験を開始しています。これは、経済産業省のプロジェクトですが、プロセス中で発生した水素を利用した燃料電池をプロセスに加えることで、発電効率を55%まで高める究極の石炭火力発電の実証も検討されています。

発電効率の向上を目指して

我が国の石炭利用技術はすでに世界最高水準にあるが、今後も競争力を維持し、世界のエネルギー、環境問題に貢献するため、NEDOはさらなる高効率石炭火力発電の技術開発に注力している。

「CoolEarth ―エネルギー革新技術計画」のデータより作成

A-USC(先進的超々臨界圧石炭火力発電)
火力発電に利用する水蒸気を水の臨界圧を超える条件下に置くことで熱エネルギーを削減し、発電効率を高める技術。2015年頃に発電効率46%、2020年頃に48%の達成を目指し、700℃級のA-USCの開発を進めている。


IGCC(石炭ガス化複合発電)
石炭をガス化し、ガスタービン燃料とする高効率発電技術。2017年には、EAGLEの成果を活かし、広島県大崎発電所にて実証試験運転を開始する予定。


IGFC(石炭ガス化燃料電池複合発電)
石炭をガス化し、燃料電池、ガスタービン、蒸気タービンの発電形態を組み合わせて発電を行うトリプルコンバインドサイクル。実現すれば送電端効率は55%を超え、CO2排出量も既存微粉炭火力に比べて約30%低減することが見込まれる。

EAGLE(革新的CO2回収型石炭ガス化技術開発)

――NEDOは今後、世界に誇る日本のクリーン・コール・テクノロジーの研究開発にどのように取り組んでいくのでしょうか。

在間 高効率石炭火力発電や製鉄プロセスにおける省エネ・省CO2化、ゼロエミッション型石炭火力発電の実現、日本の優れた石炭の高効率利用に関する設備・技術等の普及促進という三つの柱から成るクリーン・コール・テクノロジー開発戦略を進めています。
 世界最先端のクリーン・コール・テクノロジーを発展させ、さらなる高効率化を目指した石炭火力発電技術の開発を進めていくことになりますが、ゆくゆくは二酸化炭素をまったく排出しない「ゼロエミッション石炭火力発電」を実現したいと考えています。
 日本のクリーン・コール・テクノロジーをより高めることで、石炭利用による地球環境への負荷を軽減し、世界全体のエネルギー需給の安定を実現できるものと考えています。

EAGLE150t/d パイロットプラント系統図

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定期広報誌「Focus NEDO」第52号より