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国内初、NEDOメガソーラ実証プロジェクトの成果

北杜サイト

 

 八ヶ岳や南アルプスなどに囲まれた美しい山岳景観を誇る山梨県北杜市。「日照時間日本一」、「内陸性気候で降雨量が少ない」、「冷涼な夏」といった特徴を持つ北杜市において1.84MWの大規模太陽光発電システムが構築された。

モジュール評価スペース

 北杜サイトにおける主な研究内容は次の3つである。

  1. 系統安定化機能を備えたパワーコンディショナの開発および実証
  2. 多種類の太陽電池モジュールの特性評価
  3. 環境性を考慮した架台設計や環境貢献度の定量化

複数の系統安定化技術を備えた
パワーコンディショナ

 北杜サイトでは、世界初となる複数の系統安定化技術を備えた国内最大級の400kW級パワーコンディショナ(PCS)の開発・試験・評価を行った。これは大規模太陽光発電システムが連系される特別高圧系統に影響を与えないことを目的としたもので、3つの特徴的な機能がある。1 つめは、系統事故時に電圧が低下しても運転を継続することができる「瞬低時運転継続機能」。2つめは、特別高圧系統の連系点の電圧を安定化させる「電圧変動抑制機能」。そして3つめがPCS で発生する高調波電流を抑制する「高調波抑制機能」である。今回の実証において、これらの機能が十分に発揮されることが明らかになった。

 現在では、一般市場での販売も開始されており、すでに大規模システムに500kWのタイプが導入されている。

国内外9カ国27種類のPVモジュールの特性評価

システム構成図

 北杜サイトには、国内外9カ国から27種類の太陽電池パネルが導入され、それぞれの特性評価も行われた。同種類の太陽電池パネルでも製品よって性能にバラつきがあることが確認された。さらに、経済性(パネルの調達コスト)のみを考慮した一般的な評価ではなく、メガソーラに適した発電性、環境性、設置性などの評価項目を設定し、先進的な太陽電池パネルの評価を実施した。

 太陽電池モジュールを構成するもう一つの重要な要素である固定架台システムについては、傾斜角15度、30度、45度で設置し、傾斜角特性の評価を実施。

 また、あらかじめインストールされたプログラムに従って、方位角を変化させ、日の出から日没まで太陽を追尾する「1 軸追尾システム」や受光面が太陽に対して常に垂直になるように、方位角と傾斜角を変化させる「集光2軸追尾システム」を採用し、表面のレンズによって光を集め700 倍に高めてから太陽電池(GaAs)で発電する方法も検証した。

PSDコンテナと電光掲示板
北杜サイト

 2010 年3月における天候別発電量では、晴天日には、集光2軸追尾システム、1軸追尾システム、固定架台システムの順に発電量が多く、20%以上の追尾効果(発電量の増加)が確認された。

 一方、曇天日と雨天日の発電量順は1 軸追尾システム、固定架台システム、集光2軸追尾システムだった。つまり、1軸追尾システムは天候に影響を受けにくいが、集光2軸追尾システムは直達日射によって発電を行うため、天候による発電量の変動が大きいことが明らかになった。

 

経済性・環境性を考慮した最適システム設計の研究

傾斜角特性の評価

 北杜サイトでは、経済性・環境性を考慮した先進的架台やその工法についても検討された。従来の架台・工法に比べてコンクリート基礎の設置費用を削減でき、土壌などへの環境影響の低減も可能になり、経済性はもちろん、環境適合性にも優れた架台・工法が開発された。

1軸追尾システムと集光2軸追尾システム

 また、LCA(ライフサイクルアセスメント)手法 を用いた、太陽光発電システム別のCO2排出量などの評価も行われた。各種太陽電池の環境貢献度を定量化し、太陽光発電は他の化石燃料に依存する電源に比べ、温暖化の防止に効果的であることが確認されている。

 以上のような実証研究が行われた北杜サイトには、平成20年度に約2,400名、平成21年度に約3,000名、平成22年度は約4,800名と、非常に多くの方々が見学に訪れている。

  • LCA(ライフサイクルアセスメント)手法
    環境マネジメント手法の一つであり、ある製品が発生させる環境影響を定量的に求めるための手法。

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定期広報誌「Focus NEDO」第44号より