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国内初、NEDOメガソーラ実証プロジェクトの成果

稚内サイト

 
稚内サイト俯瞰
稚内サイト詳細

 稚内サイトには、5.02MWという大規模太陽光発電システムが構築されている。そこでは、これからメガソーラを普及させていくためには、不可欠である様々な系統安定化に関する実証研究が実施された。
稚内サイトにおける代表的な研究内容は次の3つである。

  1. NAS 電池を用いた出力変動を抑制するための技術開発
  2. 日射量予測を基にした大規模太陽光発電システムの計画運転技術の確立
  3. 寒冷・積雪地域における太陽電池モジュールの特性評価

NAS電池を活用した系統安定化技術を検証

 太陽光発電は日照の影響を受けて、発電量も大きく変動してしまう。太陽光発電システムから出力される電力量が大きく変化すると、既存の電力系統に与える影響も少なくない。将来、系統に大量連系された場合、電圧や周波数など電力品質に悪影響を及ぼさないために、稚内サイトでは、日本で初めて、蓄電池を備えたメガソーラとして新しい技術の開発と、その有効性、実用性の検証が行われた。

図2 稚内サイト システム構成図

 稚内サイトでは、発電した電気をいったんNAS電池に蓄電する方法を採用。1.5MWのNAS電池で充電や放電を行うことで出力をコントロールする制御技術の開発が行われた。

 さらに、気象予測や出力管理のシステムを用いることで、太陽光発電の計画運転の技術も開発された。日射量予測の想定値とNAS電池の出力変動制御技術を組み合わせて、翌日のNAS電池の運転を計画する技術である。事前に立てた計画通りに太陽光発電を運用できれば、発電電力の価値を一層高めることができると期待されている。実際には、日射量予測と実日射量との誤差をNAS電池が吸収することになるのだが、日射量予測の精度向上と日射量予測の誤差を考慮し、最適な運転計画を作成することが、メガソーラの安定運用には不可欠である。

寒冷・積雪地域における太陽電池モジュールの実証

架台設置の様子
NAS電池システムの外観

 国内外11種類の太陽電池パネルを使って寒冷・積雪地域における特性評価も実施した。結晶シリコン系のほかに、アモルファス、化合物、結晶薄膜タイプを種類別に分類し、発電効率の評価や、季節や経年劣化についてのデータ分析が行われた。

 また、稚内の地域性を活用して、環境適合性に優れた架台・工法の開発も行われた。積雪地域において、太陽電池パネルを支える架台は積雪や強風の荷重に耐えられる強固なものが望まれる。この課題に対して、荷重バランスの均等性と部材強度の適正を考慮した架台を開発した。平成21年度に採用した架台では、従来のものと比較して約30%の鋼材重量の削減に成功している。

 この成果を「架台設計検討ツール」として公開。メガソーラ導入を検討するあらゆる事業者にとって、最適なコストを導き出すツールとして活用されていくに違いない。

 このような実証研究が行われた稚内サイトには、自治体や企業、構築に関わる重電メーカー、学識経験者など多数の見学者が訪れている。平成20年度から毎年1,500名を超える見学者が訪れており、平成21年度には約1,700名が訪れるなど関心の高さがうかがえる。


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定期広報誌「Focus NEDO」第44号より