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草木から化学材料を製造

石油原料から脱却植物由来の原料へ転換

石油からの原料転換に向けての説明写真  プラスチックなどの化学品の大半は石油を原料にしています。それらはわが国の石油消費量の約23%を占め、大量の石油資源を消費しています。さらに、わが国の化学品製造で排出される二酸化炭素(CO2)は、産業部門全体の約13%、日本全体の約5%を占めています。
 しかし昨今、世界的な石油消費量の拡大に伴う石油価格の高騰や枯渇リスク、CO2排出量の増大に伴う地球温暖化問題などの課題が顕在化しています。そこでNEDOは、化学材料の製造原料の石油依存から脱却し、草木などさまざまな植物由来原料への転換を目指すプロジェクトを推進しています。

非可食性植物からの化学材料の製造

イラスト  原料となる植物(バイオマス)には、食糧にもなる、トウモロコシやサトウキビなどの可食性バイオマスと、食糧と競合することのない、草や樹木などの非可食性バイオマスがあります。NEDOは、食糧との競合を避けるため、非可食性バイオマスから化学材料をつくるプロジェクトに取り組んでいます。
 また、このプロジェクトでは、原料を提供する製紙メーカーをはじめ、基盤技術を有する大学、化学メーカーなど20社以上の企業および大学が参加した垂直連携体制で技術開発に取り組んでいます。

原料から最終化学品までの一貫製造プロセスの開発の説明写真

競争力を持つ製造プロセスを開発

 現在、可食性バイオマスからの化学材料の製造については、一部実用化されている例もあります。一方、非可食性バイオマスからの製造については、技術開発は多く試みられていますが、コストが見合わず実用化に至っていないのが現状です。そこで、本事業では化学材料の製造工程全体の低コスト化を目指し、草木を構成するセルロース・ヘミセルロース・リグニンの各成分を有効に活用するための一貫製造プロセスの開発に取り組んでいます。3成分を有効に活用することと、出口製品を付加価値の高いものにすることでコスト競争力を持つ製品製造が可能になります。

軽量かつ高強度な植物素材を自動車へ

 その一つが「セルロースナノファイバー(CNF)」です。これは、植物繊維であるセルロースをナノサイズまで細かくほぐすことで取り出すことができます。CNFは鉄の5倍以上の強度という優れた特性を有します。NEDOプロジェクトで開発したCNFと樹脂の混合技術により、軽量で高い強度の複合材料の開発に成功しました。この材料を自動車に適用することで、車両の軽量化が可能となり、燃費の向上にもつながります。2014年度にはサンプル提供に向けたパイロットプラントが完成する予定です。
 日本国内でも草木バイオマスは多く存在します。これらの資源を有効活用することで、日本が資源国に変わる可能性を秘めています。将来、身の回りの石油化学製品が植物由来の製品に置き換わることを期待しています。

セルロースナノファイバー説明



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定期広報誌「Focus NEDO」第51号より