本文へジャンプ

12345

プリンテッドエレクトロニクス

日本企業が持つ知見を集めて世界に先駆けて開発を

プリンテッドエレクトロニクス等の写真 プリンテッドエレクトロニクスとは、印刷技術を活用して製造する電子回路、デバイスなどを意味します。分かりやすく言えば、タブレット端末のようなものを印刷プロセスでつくるという技術です。その最大の特徴は、薄くて軽量で曲げられるということです。そのため、さまざまな用途への活用が期待されています。
 NEDOは、2010年度から「次世代プリンテッドエレクトロニクス材料・プロセス基盤技術開発」というプロジェクトを開始し、プリンテッドエレクトロニクスの基盤技術の開発を行う委託事業と実用化技術の開発を行う助成事業の両輪で進めています。委託事業についてはJAPERA(次世代プリンテッドエレクトロニクス技術研究組合)が、助成事業についてはリコー、凸版印刷、大日本印刷が担当し、それぞれの開発課題に取り組んでいます。
 JAPERAには、国内製造業27社と1研究機関が参加しており、業種も素材、半導体、家電、そして印刷などと多岐にわたっています。日本にはそれぞれの分野で世界的に強い技術を持つ企業が多くあることから、その知見を集めて、世界に先駆けてプリンテッドエレクトロニクス技術を確立しようという狙いがあります。現在のところ、日本の技術は諸外国に比べ、一歩リードしていますが、韓国や欧米など海外勢との開発競争も一段と激しくなっている状況です。

日本のエレクトロニクス産業復活のカギを握る技術

電子値札(凸版印刷㈱)の写真 NEDO がこの技術開発に力を入れている背景には、日本のエレクトロニクス産業にもう一度確かな国際競争力を取り戻してほしいという思いがあります。現在、液晶ディスプレイなどの製品は、製造装置をそろえることで比較的簡単につくれるようになったため、コストが安い海外メーカーが圧倒的な強みを発揮しています。
 しかし、プリンテッドエレクトロニクスは、材料や製造プロセス、機器やデバイスの高度な擦り合わせが必要な製造方法であり、誰にでも真似のできるものではありません。擦り合わせ型のものづくりは日本が得意とする分野であるため、日本企業にも勝機が出てくると考えています。しかも、印刷でデバイスを製造できるため、製造コストも格段に安くすることができます。
 現在進めているプロジェクトでは、小型の電子ペーパーや圧力センサーなどを試作できるようになりました。最終的には、これらの大面積化や高精細化を進めていく計画です。プリンテッドエレクトロニクスは、ほかにも照明やセンサーなどさまざまなものに応用が可能で、しかもつなぎ合わせることもできるため、円い柱や壁一面を電子ディスプレイにすることや、床一面を圧力センサーにすることも可能になります。
 将来的には、このプリンテッドエレクトロニクスによって、身の回りをエレクトロニクスに囲まれて家の中も大きく変わる可能性があります。エコで、便利なくらしをプリンテッドエレクトロニクスが実現してくれることを期待して、研究開発を推進しています。

フレキシブル電子デバイスの応用例の説明図

≪≪【前ページ】ナノテクチャレンジ事業 |

【特集ページ目次へ戻る】



定期広報誌「Focus NEDO」第51号より