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日本の省エネ技術を国際展開し、世界のエネルギー効率化を目指す

日本の省エネ効率は米国やEUの約2倍

我が国における最終エネルギー消費の推移  日本のGDPは1973年から2012年の間に2.4倍に膨らみましたが、その間のエネルギー消費量は1.3倍にとどまっています。それはエネルギーの効率化が進んでいるためで、1973年と1979年の2度のオイルショックの経験から、省エネ法が制定され、特に産業分野の省エネ効果は著しく、2012年は1973年の0.8倍、つまり削減に成功しているのです。さらに、トップランナー制度の活用など官民挙げての省エネ政策や省エネ技術の進歩が生んだ結果だと思います。
 また、省エネ効率についても、例えば日本を1とすると米国は1.6、EUは1.1、韓国は2.3、そしてインド、中国はそれぞれ5.2、5.5となり、どの国と比較しても日本が高いことが分かります。このことから、日本の省エネ技術を諸外国に導入すれば、世界規模でエネルギーの効率化が大きく進むのは間違いありません。
 事実、NEDOは1990年代初頭から実施した実証事業を通じ、日本の優れた省エネ技術をアジアなどに導入、これまで原油削減効果として年間約1000万キロリットル、二酸化炭素排出削減効果として年間約3500万トンを実現してきました。
エネルギー効率の各国比較  しかし、日本の省エネ技術は諸外国に比べコスト的に高いという課題を抱えており、またネームバリュー、実績の面からも日本メーカーがさらにシェアを伸ばしていくことは容易ではありません。NEDOはこういった問題を解決し、日本の高品質な製品群を届けるため国際実証事業を世界で実施しています。日本の技術・製品を現地の実情にカスタマイズした上で導入し、ショーケースとして現地での普及を後押しすることで、日本企業が現地市場へ参入する足がかりとしたいと考えています。

※トップランナー制度
 家電や自動車等の製品を指定し、その時点で消費電力量や電量等が最も優れた製品(トップランナー製品)を超える基準値を定め、製造業者・輸入業者に対し、目標を満たすことを求める制度。民生部門では自動車、エアコン、蛍光灯器具などが代表例。

東南アジア・インドでの省エネに向けて

インド政府との基本協定書締結(携帯電話基地局の省エネルギー化)の写真  省エネルギー部は現在、インド等で海外プロジェクトを進めています。インドで行っているプロジェクトの一つは、インド鉄鋼省と共同で行っているもので、日本の排熱回収技術を用いた実証です。製鉄所で粉状の鉄鉱石を焼結し、冷却する工程で排出される高温空気の熱を排熱回収ボイラーで回収し、生成した蒸気を利用してタービン・発電機で発電します。これによって製鉄所内の消費電力の約6%(原油換算で年間3万4000トン)の削減が可能になります。
 インドで行っているもう一つのプロジェクトは、携帯電話基地局でのエネルギーマネジメントシステム(EMS)の実証です。数十か所の基地局に再生可能エネルギーとリチウムイオン・バッテリーを導入して最適なエネルギーマネジメントを行い、ディーゼル燃料の消費量を削減するとともに、安定的に電力を供給するシステムの実現を目指すもので、約50%の省エネ効果を見込んでいます。今年8月にインド政府と実証事業の基本協定書を締結、プロジェクトが本格スタートしました。
 一方、タイでは、バンコク市内のアマリ・ウォーターゲート・ホテルに日本のビル省エネ技術(ヒートポンプ給湯、ビルエネルギーマネジメントシステム(BEMS)、LED照明など)を導入した実証実験を行い、約15%の省エネを実現しました。タイではほかにもいくつかの事業を行っています。

今後は中小企業の省エネ技術も海外へ

 インドやタイでの普及はもちろん、ゆくゆくはその省エネ技術を周辺諸国へも広げていきたいと考えています。また、日本の中小企業の優れた省エネ技術を海外に普及させ、中小企業の海外進出の支援にも力を入れたいと考えています。さらに、日本の商社など世界中にネットワークをもっている企業には、NEDOのスキームを活用していただきたいと思っています。これにより、NEDOの海外プロジェクトは大きく進展できると考えています。



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定期広報誌「Focus NEDO」第54号より