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民生分野

2030年には新築ビルと住宅をゼロ・エネルギーに

ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)  「ZEB・ZEH」とは、それぞれネット・ゼロ・エネルギー・ビル、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略称です。具体的には、太陽光やバイオマス等の再生可能エネルギーと空調、照明、断熱などの省エネルギー技術を組み合わせることにより、エネルギーを自給自足して光熱費をゼロにする建物のことを言います。NEDOは、2030年までにZEBの実用的概念の確立と普及を図るための技術面の実証を目的として、2009年に「次世代省エネルギー等建築システム実証事業」を実施するなど、ZEB・ZEHに向けた取り組みを行ってきています。
 下水熱を利用した空調の省エネルギー化の仕組み 2011年のエネルギー消費量を第1次石油危機時の1973年と比較すると、産業部門が約0.9倍、運輸部門が約1.9倍に対し、民生部門は約2.4倍にも増加しています。そのため、何らかの対策が必要となり、建物や住宅の省エネルギーを目的に建物のZEB化や住宅のZEH化がスタートしました。
 このZEB・ZEHについては、欧米諸国も大きな関心を寄せています。EUは2020 年以降に新築される全ての住宅・建築物をおおむねゼロ・エネルギーとすることで合意。また、米国も2030年までに全ての新築業務用ビルを、そして2050年までに全ての業務用ビルをZEB化することを決定しました。
 そして、日本でも2020年からZEB化したビルやZEH化した住宅を徐々に普及させ、2030年には新築される全ての住宅・建物をZEB・ZEH化させる方針を立てています。

ZEB・ZEHの実現に重要な技術開発に注力

写真2点  NEDO は、ZEB・ZEHの実現に向け、民生部門のエネルギー消費量の約半分を占める冷暖房と給湯に着目した2つの重要な技術開発に力を入れています。1つが次世代型ヒートポンプシステム研究開発、もう1つが太陽熱エネルギー活用型住宅の技術開発です。
 次世代型ヒートポンプシステム研究開発では、空気熱源に加え下水熱、地下水の熱など、さまざまな熱源を利用したヒートポンプのシステム開発を進めています。信州大学での実証試験では、地下水を利用することでヒートポンプの電力消費量を50%以上も削減できました。
 また、大阪市千島下水処理場では下水熱を利用したヒートポンプの実証試験を行っています。下水は冬期には外気よりも温かく、夏期の昼間は外気よりも冷たいという特徴があるため、これを利用するヒートポンプも電力消費量を大幅に削減できると期待しています。
 一方、太陽熱エネルギーの活用では、空調・給湯エネルギーを一次エネルギー換算で半減させることを目指しています。現在、そのための高性能断熱材や高性能蓄熱建材、戸建て住宅用太陽熱活用システムの研究開発を進めているところです。
 ZEB・ZEHの将来像としては、建物の特徴や周りの環境に合わせて広がりを実現していく必要があります。そのためには、次世代型ヒートポンプシステム研究開発で行っているような熱の面的利用や、未利用熱の利用など、さまざまな技術との組み合わせが重要になると考えます。
 また、制御技術、センサー技術等を駆使することにより、最適な居住・執務環境を省エネルギーで実現するための人間の感性、快適性などのヒューマンファクターを考慮し、我慢の省エネルギーではなく、快適性を保つ省エネルギーを志向する必要もあります。
 建物の形状や用途、周辺環境など、ケースごとに条件が異なってくるZEB・ZEHの普及実現に向けて、NEDOは、今後もさまざまな技術開発に取り組んでいきます。

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定期広報誌「Focus NEDO」第49号より