革新的ガラス溶融プロセス技術開発
事業・プロジェクト概要
事業期間:平成20年度~平成24年度、予算総額:13.45億円
PL:井上 悟(独立行政法人 物質・材料研究機構 外部連携部門 学術連携室 室長)
PL:井上 悟(独立行政法人 物質・材料研究機構 外部連携部門 学術連携室 室長)
我が国のガラス産業は全産業の約1%に相当するエネルギーを消費するエネルギー多消費型産業です。その量は原油換算で毎年約200万kL(ガラス産業技術戦略2025年改訂版、ガラス産業連合会、2002年)にもおよび、その大部分がガラス製造における溶融工程で消費されています。また、最近では液晶やプラズマディスプレイなどに用いられる高品質・高付加価値化ガラスの需要が増大の一途にあり、製造に係るエネルギー消費はますます拡大する傾向にあるため、ガラス製造に係る省エネルギーのための抜本的技術開発は重要かつ緊急の課題ですが、ガラス製造者による省エネルギー化への改善努力も、約150年前の技術がベースとなり踏襲され続けているガラス溶解法の下では限界に達しつつあります。このため、本プロジェクトでは、気中溶解(インフライトメルティング)法を用いて、短時間でのガラス原料溶解を実現する技術、高速で高効率にカレットを加熱する技術および気中溶解により生成したガラス融液とカレット融液とを高速で撹拌し均質なガラス融液とする技術の開発を行い、最もエネルギーを消費するガラス原料溶解工程全般にわたる革新的技術の開発を行うことを目的とします。
- 気中溶解(インフライトメルティング)技術開発
1t/d試験炉の試験結果及びモデル実験等の結果を、燃焼室形状の適正化及びカレットを溶融可能とするための試験炉の改造、一週間程度の連続運転等を行い、気中溶解の最適条件を探索します。直接観察炉によりガラス融液内に発生する気泡の動的変化の解析や気泡内部ガスを分析する装置を製作しインフライトメルティング試料に関する解析を実施します。 - ガラスカレット(再生材)高効率加熱技術開発
カレット予熱装置や供給装置を製作し、カレットの効率的加熱のための最適な運転条件とインフライトメルティング法によるカレット粒子溶融のための最適粒径などを研究します。 - ガラス原料融液とカレット融液との高速混合技術開発
撹拌装置を1t/d溶融試験炉に設置し、撹拌装置の運転条件とガラス均質度及び気泡に与える影響を評価し、均質度改善に効果的な撹拌装置と運転条件を探索します。また、泡と脈理の画像解析により泡の大きさ分布及び脈理の長さ分布の評価方法を検討します。
■開発技術によるガラス溶融プロセスイメージ
■実用炉のイメージ(将来)
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革新的ガラス溶融プロセス 概要リーフレット(2.27MB)

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基本情報
技術・事業分野 | 省エネルギー |
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プロジェクトコード | P08019 |
担当部署 | 省エネルギー部 (TEL:044-520-5180) |
詳細資料
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基本計画(262KB)
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実施方針:平成24年度版(416KB)
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実施方針:平成23年度版(392KB)
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実施方針:平成22年度版(217KB)
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実施方針:平成21年度版(165KB)
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実施方針:平成20年度版(110KB)
短期的アウトカム概要(6年間の追跡調査により把握した状況)
■追跡対象企業のPJ終了後6年目のステージ状況
対象企業数:2社
- 上市:0
- 製品化:1
- 研究・開発を継続中:1
- 中止・中断:0
最終更新日:2019年3月29日