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省エネルギー

「省エネルギー革新技術開発事業」

高効率な省エネ暖房技術
車載用ヒートポンプを完成

株式会社デンソー

取材:October 2019

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INTRODUCTION 概要


「暖房競争」を勝ち抜くヒートポンプの実現

世界的に今後ますます拡大すると考えられるHV(ハイブリッド車)、PHV(プラグインハイブリッド車)、EV(電気自動車)といった環境対応車で、エンジン効率向上(HV、PHVなどの場合)の結果、暖房エネルギーとして利用可能なエンジン排熱が減少しています。さらにEVに至ってはエンジン自体が存在しないため、暖房のために走行エネルギーの一部を直接利用することが避けられなくなっています。最も簡単な暖房装置は電気ヒーターですが、この場合消費電力が大きく、寒冷時には走行エネルギーと同等の電力を消費する場面もあり、冬季の航続可能距離(満充電で走行できる距離)の大幅な低下が大きな問題となっていました。そこで、最も高効率に熱を創出できる暖房手段としてヒートポンプを選定し、NEDOプロジェクトで開発を行ったのが株式会社デンソー(以下、デンソー)です。ヒートポンプは投入エネルギー以上の暖房能力を発揮できることから、EVのように空調消費電力が航続距離に直接影響を及ぼすような環境対応車にとって必須の技術です。しかし、従来のヒートポンプは、クーラーと比べると構成が複雑なため搭載性が悪く、暖房効率(COP:成績係数)とコストの両立が難しいものであったため、本格的な普及のために非常にシンプルな構成を特徴とするヒートポンプの開発に挑みました。開発の取り組みの結果、高いCOPを簡単な回路構成で達成できる実用性の高い車載用ヒートポンプを市場に送りだすことができました。

BIGINNING 開発への道


「冬の戦い」を制するものが環境対応車を制する

日本のCO2総排出量を部門別(エネルギー転換部門を除く)にみると、自動車・船舶・航空機などの運輸部門は全体の2割にあたり(※1)、運輸部門における省エネルギーはきわめて重要になっています。こうした中、近年、PHVやEVの実用化や普及が望まれていますが、そこで問題になってくるのが「暖房」です。

※1 出典:2017年度(平成29年度)の温室効果ガス排出量(確報値)について<環境省>

冬季になると自動車には暖房が必要になります。ガソリン車やディーゼル車にはエンジンの排熱を利用するヒーターが搭載されていますが、今後、普及が拡大すると見込まれるPHVは、エンジン排熱が少なく充分な暖房エネルギーの確保が困難で、EⅤに至ってはエンジン自体が存在しません。そのため、EVでは暖房時に電気ヒーターなどが使われています。
EVにおけるエアコン、電気ヒーター使用時のエネルギー消費を見ると、車の全消費エネルギーに対する冬季の暖房エネルギーの割合は50%程度になる場合もあります。つまり、走行に利用できるエネルギーが減り、航続可能距離が大きく低下するのです(図1)。そのため、EVでは暖房などの空調使用時の実燃費(航続可能距離)向上のために、暖房エネルギーの効率的な創出が不可欠となります。そして、EVのように空調消費電力が走行距離に直接影響を及ぼすような環境対応車にとって、必須の技術として有望視されているのが、「ヒートポンプ」です。

図1 電気ヒーター利用時にEVの航続距離が低下する(資料提供:デンソー)

ヒートポンプで暖房つけても走行長く

ヒートポンプは空気中の熱を利用し、少ない投入電力で大きな熱エネルギーが得られる省エネルギー技術です。投入エネルギー以上の暖房エネルギーを得ることができるため、家庭の給湯器やエアコンなどで広く普及しています。 具体的には、圧縮すると高温に、膨張させると低温になる冷媒を使用します。外気の熱を集める室外熱交換器、外気から得られた熱を受け取った冷媒を圧縮して高温にするコンプレッサ、高温となった冷媒の熱で室内の空気を暖めるコンデンサをパイプでつなげ、冷媒がその中を循環します (図2)(写真1)。

 図2(左) ヒートポンプの構成(青線が暖房時の冷媒の流れ)(資料提供:デンソー)
写真1(右) ヒートポンプのメカニズムの展示(デンソー・ショールーム)

EVの普及には空調の消費電力を抑え、電気走行の距離を伸ばす必要があります。ヒートポンプを使用すれば外気の熱が利用できるため、少ない電力で効率よく暖められます。

EVを取り巻く環境の変化と車載用ヒートポンプの製品化

株式会社デンソーサーマルシステム先行開発部の萩原さんは、ヒートポンプのメリットについて次のように語ります。「EVの航続距離はエアコンを使うだけで半分位になってしまうこともあります。しかし、電気ヒーターの代わりにヒートポンプにすると7割くらいまで回復します」(萩原さん)

これまでのヒートポンプは、複雑な回路構成のため価格と効率の両立が難しいという理由から、その普及はなかなか進まない状況でした。 そこでデンソーはNEDOプロジェクト「省エネルギー革新技術開発事業/実用化開発/車載用高効率ヒートポンプの研究開発」(2010~2012年度)で、今後拡大する環境対応車市場に適用・普及を図っていくことを目的とする、簡素で高効率なヒートポンプの実現を目指しました。

かつて車載用ヒートポンプはトヨタ自動車株式会社の「タウンエースバンEV」(1992年)などの先進的なEVに搭載されていましたが大きく普及するには至りませんでした(※2)。ヒートポンプの普及にはEVやPHVなどの環境対応車の普及とコストパフォーマンスの良い簡素で高効率なヒートポンプの開発が必要でした。世界的なEVやPHV普及の進展という社会的な動向変化もあり、今回のNEDOプロジェクトで開発の一部を行った簡素で高効率なヒートポンプは、2012年頃からトヨタ自動車株式会社の「eQ」、日産自動車株式会社の「リーフ」(※3)や三菱自動車工業株式会社の「i-MiEV」(※4)などに搭載されるようになります。

※2 出典:トヨタ自動車75年史
※3 出典:日産自動車ホームページ
※4 出典:三菱自動車工業株式会社ホームページ i-MiEV 主要装備

BREAKTHROUGH プロジェクトの突破口


最適化を求め試行錯誤の日々

NEDOプロジェクトでは、高効率な車載用ヒートポンプの実現に向けて、様々なシミュレーションや試行錯誤が重ねられました。具体的には、各構成機器の特徴を反映したシミュレーションを行い、各条件を満足する熱交換器サイズやコンプレッサ型式といった構成機器の諸元を見極めました。そして試作を実施して、ベンチ(写真2)および実車での性能を確認。さらにコンプレッサなどの構成機器の高効率化を行いました。システム開発におけるシミュレータの開発では、放熱側、吸熱側の熱交換温度、冷媒温度と空気側温度が釣り合うように繰り返し計算を行い、収束解を求める研究を実施しました。

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写真2 ベンチ設備 (写真提供:デンソー)

なかでも車載システムのシミュレータ開発では、規定の走行モード走行時の室内平均温度、風量、暖房能力、COP(Coefficient Of Performance、冷却・加熱能力÷投入電力)などの試算を行なえる車載システムのシミュレータの開発を行いました。ところが、外気モード(外気を100%導入して暖房するモード)の実験ではCOPはシミュレーションとおおよそ1割程度の誤差で一致するものの、目標とするCOPには届きませんでした。

原因を追究した結果、①コンプレッサや熱交換器などの機器諸元が最適化されていない、②外気モードでは換気ロスが大きい、③走行開始初期(ウォームアップ時)に効率重視の制御が織り込まれていなかったことなどの問題点がわかり、対策を行っていきました。

ヒートポンプの生き字引的な存在で、設計の担当者であるデンソーサーマルマネジメントユニット技術1部の伊藤誠司さんは、「ガソリン車で可能な機能はEVでも使いたい。オートエアコンで快適に動かすためには、冷凍サイクルの特性を生かしながら車両適合しなければならなかった」と当時を振り返ります。

コンプレッサの漏れを防ぐ

今回のプロジェクトにおける重要なコンポーネントは、コンプレッサでした。
スクロール式のコンプレッサの場合、冷房用に設計したコンプレッサではヒートポンプのような高圧縮比にすると、圧縮速度および内部漏れの増加などにより内部損失が大きくなりコンプレッサ効率が著しく低下してしまう可能性があります。

「-30℃の低温下では、暖房に用いるコンプレッサは、吸入側と吐出側の温度差(≒圧力差)が大きく、高圧縮比で使用されることになります。また、スクロールコンプレッサでは、スクロール(写真3)と呼ばれる渦巻き状のロータ(旋回スクロール)とステータ(固定スクロール)とで作る圧縮室がスクロールの回転に従い、外側(吸入側)から内側(吐出側)に向かって徐々に体積が小さくなることで圧縮する仕組みです(図3)。この圧縮室は複数隣り合って存在します。すなわち高圧縮比になると、この隣りあう圧縮室の圧力差も大きくなります。
圧力差が大きくなるために隣りあう圧縮室間の冷媒の漏れも大きくなり、効率などに大きな影響を与えます。また、ベアリングなどの機械部品に対する負荷が増加して信頼性が低下することが想定されます」と当時のデンソーコンプレッサ開発部の佐貫さんは言います。

そこで、低温下でコンプレッサの各種性能を測定するために、コンプレッサの入口・出口の温度・圧力を測定し所定の条件になるようコントロールする設備を開発しました。そして、現状のコンプレッサ(冷房用)を使用して、冷房条件と暖房条件にてコンプレッサを評価した結果、冷房条件に比べて暖房条件では、コンプレッサ効率が低下することが判りました。
測定結果を受けて分析を重ね、漏れ損失やベアリングの耐力などに対する対策案の立案が行われました。

そして、①スクロールの歯先からの漏れ低減と摺動損失低減を両立するために背圧(旋回スクロールの押付荷重)の適正化、②ベアリングの大型化などの対策を行い、その効果を定量的に評価し、順次、既存コンプレッサの改良や新型コンプレッサの設計に反映していきました。これらの改良の視点は最新のガスインジェクションタイプのコンプレッサにも受け継がれています。

写真3(左) コンプレッサのカットモデル (中央にあるのが渦巻き状のスクロール)
図3(右) 作動空間ごとに生じる圧力の差 (資料提供:デンソー)

車載性向上とコスト低減を実現

ここまでの取り組みの結果、従来に比べバルブ類の数を大幅に減らし、かつコストがかかる電気式の可変絞りを一つも用いないヒートポンプの開発に成功しました。これによって車載性を向上すると同時にコスト低減も可能としました。一方、COPに関しては、シミュレータによる最適サイクル設計、ヒートポンプ条件に適したコンプレッサの効率向上、および各制御ロジックの改良により、大幅な効率向上を確認しました。

一方、プロジェクトではコスト面での話し合いも不可欠でした。 「固定絞りを電気式の可変絞りにするなどの検討もありましたが、コストと実装スピードを優先しました。車両メーカーと話をするのは当時の冷暖房技術部のチームです。そのチームとコスト面について協議し、プロジェクトを進めていきました」(伊藤さん) このように、成功の裏には、コスト戦略も含めた他チームとの連携もありました。

FOR THE FUTURE 開発のいま、そして未来


世界初のヒートポンプ暖房

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写真4 最新のヒートポンプシステム (ガスインジェクションタイプのヒートポンプ)

量産品として他社にない優位性を確保した世界初の車載用ヒートポンプの完成に成功したデンソー。
萩原さんは、NEDOプロジェクト後の取り組みを次のように語ります。「NEDOプロジェクトの開発をベースにして、より低温に強いヒートポンプシステムの開発に取り掛かりました。ガスインジェクションタイプのヒートポンプ(写真4)(※5)です。今回のNEDOで開発したサイクルに電気式膨張弁やコンプレッサへのガスインジェクション機能を追加することで、除湿暖房機能向上と低温域での暖房能力の向上に成功しました。ガスインジェクションにより暖房能力は約25%向上し、除湿暖房機能向上により電気ヒータが不要となり、エネルギー消費を約60%低減することができました」(萩原さん/伊藤さん)

※5 出典:株式会社デンソー ホームページ

加速するEV暖房戦争

日本では2030年までに、新車販売に占めるEV・PHVの割合を2~3割とする普及目標が掲げられています(※6)。 萩原さんは「EVが増えていくので、車載用ヒートポンプは必ず増えます」と将来予測をした上で、「昔は、ブームとして片付けられていたこともある車載用ヒートポンプですが、今回はマーケットに必要とされている実感があります」と意気込みを語ります。

※6 出典:未来投資戦略2017

さらに、EVの普及には世界的な追い風も味方します。
2017年、フランスのマクロン政権は「2040年までに国内でのガソリン車、ディーゼル車の販売を禁止する」という方針を明らかにしました。都市部の大気汚染に悩む中国政府も、2019年以降、生産・販売台数の一定の割合を電気自動車などのエコカーに割り当てるようにメーカー各社に義務づける新制度を公表しました。このため、世界の主要自動車メーカーは次々と「EVシフト」の姿勢を示しはじめました。
「電気を上手に使わないと、これからは環境規制を乗り越えられないと考えています。EVを作る工場までCO2削減が要求される時代になりつつあります。欧州も環境に対する感度が高かったのですが、中国がEV化を国策として入れたのも大きかったです」(萩原さん)

ヒートポンプの新たな課題

ヒートポンプの残された課題としては、-20℃までの極低温対応技術、除湿能力拡大、着霜抑制などがあり、技術確立が待たれています。萩原さんは、「エンドユーザーはエアコンで車は選びません。しかし、空調に使われるエネルギーは少なくないので、どのエアコンを搭載しているかで走行性能や環境にも大きく影響します。この車はヒートポンプが載っていていいよね、というようにエンドユーザーに言ってもらえるようにしたい。そしてそれが購入につながるようになるのが我々の願いです」と、あくまでもユーザー視点にこだわります。こうした省エネルギーの実現で、EVの未来も加速していきます。

開発者の横顔


社会システムの一部としての技術開発

今後世界的に環境対応車の生産拡大が見込まれることから、車載用ヒートポンプの需要拡大はますます期待されています。萩原さんは、こんな未来予想図を語りました。
「EVだからといってもまだ100%ヒートポンプというわけではないので、後進の方々には100%を目指してこれからも頑張っていただきたいですね。また、自動車技術に限らず、これからはただの技術開発じゃだめだと思います。社会の仕組みや考え方ともっと連動させていかなければならないと考えています。車も車だけではなく、社会システムの一部として成り立たせていかなければなりません」

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株式会社デンソー 
サーマルシステム先行開発部
萩原 康正 さん

どんな寒冷地域でも使えるヒートポンプの開発

デンソー初代ヒートポンプの設計者でもあった伊藤さんは、NEDOプロジェクト当初の2008年から萩原さんの右腕として全体に携わってきました。プロジェクトのヒートポンプにおいても、伊藤さんの過去の設計やノウハウが存分に生かされました。
「ヒートポンプが実力を発揮するのは、暖房能力が問われる寒冷時です。熱を運ぶ冷媒の温度を外気より低くすることで、外気から熱を受け取ることができますが、低温であるほど、外気から熱を受け取り気化した冷媒の密度は低下します。そこで、気液分離器を経由して密度の高い冷媒を取り出し、コンプレッサに注入することにより、ヒートポンプの弱点である低温環境における暖房能力を高めるなどしています。そうした努力は北欧などの寒冷地域で一番生きる。グローバルに適応することができるよう、日本よりハードな環境を想定して開発しました」

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株式会社デンソー
サーマルマネジメントユニット技術1部
伊藤 誠司 さん

車載機器全体での熱マネージメントを

デンソードイツ(DENSO Automotive Deutschland GmbH)でドイツのメーカー向けにヒートポンプの開発をしていた川久保さんは、2012年途中からこのプロジェクトに参画しました。川久保さんは空調に限らず、車載機器全体として、熱の管理と制御を考えています。
「車の上で自由に冷温熱を作れるのがヒートポンプの強みです。空調利用のキャビンだけではなく、ラジエーター、バッテリーなどを含めた車全体、つまり車載機器の熱マネージメントが可能になることでしょう。車載機器とくにバッテリーでは適正な温度管理が必要です。冷たすぎると性能が出ないため、人間の体温と同じくらいの温度が長寿命化には必要です」

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株式会社デンソー
サーマルマネジメントユニット技術1部
川久保 昌章 さん

エネルギー技術への熱い思い

加見さんはデンソーに2010年に入社。新入社員から、ヒートポンプのプロジェクトに携わってきました。基礎から実験まで担当する加見さんは、コンプレッサ、冷媒、コンピューター制御などオールラウンドにチームに貢献してきました。
「熱の仕事がずっとしたかった。そういう意味では、とても恵まれた環境で仕事をしていると考えています。一見地味な仕事のようですが、自動車の性能、そして環境問題にまで関わる大きな仕事です」

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株式会社デンソー
サーマルマネジメントユニット技術1部
加見 祐一 さん

なるほど基礎知識


EVの暖房

エンジンを動力源とする従来の車の空調システムは、冷房時はエンジン動力を利用して冷凍サイクルのコンプレッサを稼働させます。暖房時はエンジン冷却用の冷却水の排熱を利用し、温まった冷却水をファンの風に当てることで暖かい空気を作り出します。

一方、モーターを主たる動力源とするEVの場合、車両モーターのエネルギー変換効率が高く、ブレーキ時にも運動エネルギーを回生電力として回収するため、排熱量は従来の内燃機関に比べ小さくなります。そのため空調稼働時には、電動コンプレッサによる冷房や、電気ヒーターによる暖房など、電気による冷房暖房手段が必要となります。

EVの暖房では「ヒートポンプ」の他にも「電気ヒーター」「PTC (Positive Temperature Coefficient) ヒーター」「燃料式ヒーター」があり、それぞれの方式が主導権を握ろうとしのぎを削っています。

PTCヒーターは、バッテリーの電気を電気抵抗に通して熱を発生させます。PTC素子は温度が上がると電気が流れにくくなる特性を持っており、温度が上限に達すると消費電力量を一定に抑えることができます。

燃焼式ヒーターは、家庭のFF式 (Forced draught balanced Flue type) 石油ストーブと同様の構造で、燃焼用の吸気排気は車外で行います。暖房の効きがよいため寒冷地向けですが、燃料タンクがあるためサイズ、重量が大きく、大型車両に向いているとされています。

電気式ヒーター、PTCヒーター、さらには燃焼式ヒーターもヒートポンプのような熱機関でないので、加えたエネルギー以上の熱を発生することはできません。それに対して、ヒートポンプは室外熱交換器から大気のエネルギーを冷媒に取り込み、さらに冷媒を圧縮するエネルギーを加えて高温にして、コンデンサから放出します(熱機関の原理)。大気のエネルギーを1、冷媒を圧縮するエネルギーを1とすると、コンデンサから放出される高温のエネルギーは両者を足した2となり、加えた圧縮エネルギーの倍のエネルギーを得ることができます。

NEDOの役割

「省エネルギー革新技術開発事業」
(2009~2013年度)

(NEDO内担当部署:省エネルギー部)

日本の最終エネルギー消費は、東日本大震災以後、省エネルギー対策などの進展により減少傾向にありますが、引き続き効率的な省エネルギー技術の開発や実用化が望まれる状況にあります。

NEDOは、大幅な省エネルギー効果を発揮する革新的なエネルギー使用合理化技術について研究開発、実用化を推進しており、「省エネルギー革新技術開発事業」は、基盤的な技術から実用化目前の技術に至るまで、大学・民間企業等から研究テーマを募り、革新的な省エネルギーに関わる技術開発を幅広く支援するプロジェクトでした。

株式会社デンソーは、既に企業や大学等が有している技術やノウハウ等をベースとして、省エネルギーに資する応用、転用を図る技術開発を行う、実用化開発フェーズに参画し、高い省エネルギー性能を簡素な回路構成で達成できる実用性の高い車載用ヒートポンプの開発に成功し、実用化を達成しました。

関連プロジェクト


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