NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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Chapter 2  省エネルギー・環境分野省エネルギー技術 NEDO 40年史 117図3◉ 東京メトロ丸ノ内線2000系新型車両は、高耐圧All-SiCデバイスを開発し、補助電源を高効率・小型の高周波絶縁DC/DCコンバータに代え、車内配電を交流から直流に変更しました。空調装置のインバータにもAll-SiCデバイスを適用することで高効率・小型化を図りました。開発したAll-SiCデバイスなどは、モータを制御するVVVFインバータ装置に適用され、2018年度に東京メトロ丸ノ内線の2000系新造車両に導入されました。2019年2月の営業開始以来、現行の丸ノ内線02系PMSM車両と比較し、27%の消費電力量削減を実現しています。なお、本事業で開発したシステムは、2019年度省エネ大賞の経済産業大臣賞を受賞しました。[ 成果事例 ② ] 超高輝度・大光量LED照明の開発 [ 2012〜2013年度 ] 高天井照明や投光器として高輝度・大容量照明の高圧水銀ランプなどの高輝度放電ランプ照明が多く使用されていますが、一層の省エネルギー化や水銀条約による高圧水銀ランプの使用制限を背景に、LED化が急務となっていました。しかし、LED化にあたっては、LED照明の高輝度化について、発光部が高温になり寿命の低下や発光効率の低下を招くことが課題となっていました。そこで四国計測工業株式会社は、その課題を克服する高演色型の超高輝度・大光量のLED照明を開発しました。開発したLED照明は、単一面光源による照明としては、定格光束63,200~68,000lmで世界最高クラスを実現し、LEDの集積率を高めるとともに放熱を強化して大光量・長寿命と省エネルギーを同時に達成しました。 なお、本事業で開発した成果は、2017年度省エネ大賞の省エネルギーセンター会長賞を受賞しました。[ 成果事例 ③ ] 100万LUT規模原子スイッチFPGAの開発 [ 2016〜2018年度 ] 画像など大容量データの高速処理ニーズの高まりやIoT化の加速を背景に、高い電力効率と処理性能を両立できる半導体チップとして、ユーザーが電子回路を書き換え可能なFPGAの採用が広がっています。FPGAは、電気信号を切り替えるためのトランジスタの素子サイズを微細化することで、チップに搭載する回路図5◉ 消費エネルギー比較(左図:投光器、右図:高天井照明における同等照度を得る条件下)図4◉ 開発したLED照明とチップオンボード(COB)モジュール出典:四国計測工業LED照明(投光器)LED照明(高天井照明)高出力COBモジュール<投光器の消費エネルギー比較><高天井照明の消費エネルギー比較>メタルハライド(1,085W)126台メタルハライド(1,050W)(中角タイプ)40台当社LED(600W)108台当社LED(600W)(中角タイプ)25台約53%の 省エネルギー約64%の 省エネルギー136.7kW64.8kW42.0kW15.0kW出典:四国計測工業

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