NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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Chapter 2  省エネルギー・環境分野省エネルギー技術 NEDO 40年史 123ークシステム研究開発(エコ・エネ都市プロジェクト)」 「高性能工業炉の開発」など産学官の英知を結集し、複数の大規模な研究開発プロジェクトを並行して実施しました。これらのプロジェクトが、2000年頃まで続けられた結果、今日においてはリジェネレイティブバーナー、吸収式/圧縮式ヒートポンプ・冷凍機、水和物スラリー蓄熱、後述する熱利用機器などが実用化・普及しており、省エネルギー先進国としての地位を築き上げることに貢献してきました。  最近では、比較的利用しやすい高温の未利用熱だけではなく、経済的あるいは技術的な理由から利用しにくい、低温域や小規模の未利用熱にまで注目が集まっています。 現在は、未利用熱の活用による徹底した省エネルギー・低炭素化を実現するために、「未利用熱エネルギーの革新的活用技術研究開発」や、省エネルギー技術の早期の実用化・導入につなげることを目指した「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」など、技術シーズの探索から研究開発、実用化開発、実証まで幅広くシームレスな研究開発を行っています。 最近10年の主なプロジェクト❖ 未利用熱エネルギーの革新的活用技術研究開発 [ 2015〜2022年度 ] 近年、企業が実施する熱利用分野における研究開発において、研究期間の短い改良型のテーマが多くなっており、抜本的なイノベーションを生み出す可能性を秘めた中長期的研究への投資が、少なくなっているといわれています。そのような中、未利用熱を活用するための技術を2030年頃から事業化し世界に貢献することを目指すためには、国家プロジェクトとして、中長期的研究開発を重点的に行うべきとの認識の下、「未利用熱エネルギーの革新的活用技術研究開発」を開始しました。 本プロジェクトでは、産業・運輸・民生分野から発生する未利用熱を効果的に削減・利用するために、熱の3R技術に着目しています。熱の3R技術とは、熱の発生を削減(Reduce:断熱、遮熱、蓄熱など)、熱を熱のまま再利用(Reuse:ヒートポンプ図21◉ NEDOにおける未利用熱の活用に関する主な研究開発プロジェクト

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