NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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40th130 NEDO 40年史 最近10年の主なプロジェクト >> 火力発電技術の海外展開❖ 石炭高効率利用システム案件等形成調査事業 [ 2011〜2017年度 ] 「第3次エネルギー基本計画」(2010年6月閣議決定)において、エネルギー政策の基本である3Eに加えて新成長戦略の「環境・エネルギー大国」の実現が追加されました。これにより、競争力のある日本のエネルギー産業や省エネルギー技術の海外展開の加速化を図ることで、日本の経済成長と世界のCO2削減の同時達成を図ることが必要とされました。 そのため、2011年度から日本の高効率発電技術をはじめ、未利用炭利用技術、運転管理技術、CO2分離・回収技術などを日本企業が海外に展開するための実現可能性調査(FS)を実施しました。 本事業の特徴は、①民間だけではプロジェクト形成が困難な案件に対し、②相手国の石炭性状などに合わせた日本の技術の適用可能性を検証するための試験なども含めたFSを行い、③その成果を国際的なイベントや政府間での対話などを通じて相手国政府や相手先企業に報告し、日本の技術の高さ・有効性について理解・協力を得る活動を実施しました。 日本の高効率で、環境負荷の少ない技術を普及させ、地球環境のみならず、相手国にとっても日本にとっても最適な案件を形成することが狙いでした。 ❖ 低品位炭利用促進事業 [ 2013〜2017年度 ] 石炭の安定供給について、中長期的に安価で安定的な石炭供給を確保していくために、これまで未活用だった低品位炭の活用が必要となってきました。 そこで、石炭の効率的利用を目的として、2013年度から、付加価値が高い化学製品や改質炭などの鉱山元での製造を目指す事業を対象にビジネスモデルの検討を行い、その実現に向けて、調査5件、技術開発5件、技術実証2件を実施しました。CO2排出の削減効果のあるCO2フリー水素やバイオマスガス化は、今後、事業化が期待されます。図10◉ 褐炭CWM製造/発電実証設備(インドネシア)出典:日揮図12◉ インド発電関係者招聘プログラム図11◉ インドネシアCCTセミナー▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲高効率石炭火力発電▲低品位炭利用▲その他▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲図9◉ 石炭FS実績分布図2011年度から2017年度まで、29カ国で64件のFS事業を実施高効率石炭火力発電案件:31 / 低品位炭利用案件(ガス化・改質・乾燥):17

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