NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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40th132 NEDO 40年史 CO2回収・有効利用・貯留歴史と背景CCUS技術の実用化に注力 2015年の「パリ協定」は、産業革命後の世界の平均気温上昇を2℃以内に抑えるとともに、1.5℃に抑える努力を継続するとしています。この実現に向けて大気中のCO2を増加させないための技術として、省エネルギーや再生可能エネルギー利用、燃料転換などに加え、エネルギーシステムから排出されたCO2を分離・回収し(Capture)、貯留(Storage)して隔離する技術(CCS)、さらにCO2を有効利用(Utilization)し、CCSとあわせて取り組んでいく技術(CCUS)が重要と考えられます。 日本は、温室効果ガスの大気中への排出をさらに抑えるため、「エネルギー基本計画」において、国内における回収・輸送・圧入・貯留の一連のCCSのプロセスの実証と貯留適地調査などを着実に進めるほか、CCUS技術の実用化を目指した研究開発を推進するとしています。 さらに、CO2を資源と捉えて素材や燃料に再利用する考え方(カーボンリサイク図14◉ CO₂削減に関する取り組みとその貢献出典:IEA “Energy Technology Perspectives 2020”を基にNEDO加筆出典:経済産業省、2019年図15◉ カーボンリサイクル技術ロードマップ需要量の変化エネルギー効率バイオマス再生可能エネルギー電化水素燃料転換CCUS(年)<見直し>カーボンリサイクル産学官国際会議などを通じて得られた国際的な技術の状況や新しい提案を踏まえて柔軟に技術の追加を行うとともに、5年を目安として、「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」の改訂等の動きを見つつ、必要に応じて見直す。

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