NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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40th136 NEDO 40年史 環境調和型プロセス歴史と背景低炭素社会の実現を目指して 日本の鉄鋼業は、日本経済とものづくりを支える重要な基盤産業であり、国全体のCO2排出量の約13%を占めています。主要な製鉄プロセスである高炉法は、特にCO2排出量が多く、地球温暖化対策として抜本的なCO2排出量の削減が要求されています。しかし、日本の製鉄技術は、排熱と副生ガスの利用による省エネルギーで、既に世界最先端の水準にあり、極限に達しています。そのため、現状の技術の延長では、大幅なCO2削減、省エネルギー化は困難であり、産学官が一体となった革新的な技術開発が求められています。「エネルギー基本計画」においては、資源エネルギー安定供給の強化と地球温暖化問題解決に向けた取り組みとして、革新的な製鉄プロセス技術の実用化が挙げられています。 NEDOは、2008年度から環境調和型製鉄プロセス技術の開発事業を推進し、製鉄プロセス全体でCO2削減量最大化を目指し、革新的塊成物活用(フェロコークス活用技術)とプロセス(水素還元等プロセス技術)の両面から技術開発に取り組んでいます。 最近10年の主なプロジェクト >> 製鉄プロセスにおけるCO2排出量削減技術❖ 水素還元等プロセス技術の開発 [ 2008年度〜 ] 「革新的技術開発」の一つとして、水素還元等プロセス技術の開発(COURSE50)が2008年度から開始され、現在も進められています。COURSE50では、鉄鉱石還図22◉ 環境調和型プロセス技術開発の全体像図23◉ COURSE50プロセス(2)CO2分離・回収技術開発高炉ガスからCO2を分離・回収し、CO2を20%削減(1)CO2排出量削減技術開発水素をコークスの一部代替として鉄鉱石を還元し、CO2を10%削減

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