NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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40th142 NEDO 40年史 られました。 こうした背景から、NEDOは、廃プラスチックを適正に処理し、資源として循環させるための「革新的プラスチック資源循環プロセス技術開発」(2020~2024年度)に着手します。本事業は、廃棄されたプラスチックについて、①最適な処理方法に振り分けるための選別技術、②元のプラスチック材料と同等な材料に再生する技術、③分解して石油化学原料に転換する技術、④材料や原料への再生が困難な廃プラスチックを焼却し高効率にエネルギーを回収・利用する技術の開発を連携して行います。 この技術の適用により、2030年度までに、これまで国内で再資源化されていなかった廃プラスチックのうち、約300万t/年の資源循環を目指します。今後と展望動静脈産業一体型の資源循環システム構築  世界規模で資源制約が強まる中で、日本においても天然資源の消費のさらなる抑制が求められていることや、廃棄物などから有用資源をリサイクルする仕組みが十分に整備されていないことなど課題が依然として存在しています。また、アジアを中心とした新興国では、急激な経済成長に伴う廃棄物の増加という深刻な問題に直面しており、経済成長と環境が調和した資源循環型社会の構築が急務となっています。 単に、リサイクル技術開発を推し進めるだけでは限界があり、製品を製造する動脈産業と、使用済み製品を回収・分別し適切にリサイクルする静脈産業とが一体となり、より効率的に資源を循環できる製品デザイン、使われている素材や解体方法などの情報などを連携する仕組みづくりが、今後、重要になっていきます。NEDOは、「高効率な資源循環システムを構築するためのリサイクル技術の研究開発事業」(2017~2022年度)などの中で、そのような難しい課題にも挑戦し、制度や規格づくりも見据えた技術開発を進めていきます。図33◉ プラスチック資源循環の概要図

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