NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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Chapter 2  省エネルギー・環境分野環境・省資源技術 NEDO 40年史 145図38◉ 世界の水ビジネス市場における設備投資額の内訳評価手法の開発」(2018~2022年度)において、冷凍空調機器に使用する次世代冷媒の安全性・リスク評価手法の開発に取り組むとともに、次世代冷媒とその適用機器の開発を実施しています。 今後と展望HFC排出削減目標達成に向けて HFCが使用されている冷凍空調機器はいったん市場に出荷されると、その後十数年にわたり排出源として温暖化に悪影響を及ぼします。このため、早期に次世代冷媒への転換技術を開発し、市場に投入することが不可欠です。 省エネルギー性や安全性などが担保された次世代冷媒適用技術を開発できれば、冷媒転換への決定打を見いだせていない世界の市場に対して最適な解決策を提供することができます。NEDOは今後、低GWP化が進んでいない冷凍空調機器を対象として、グリーン冷媒をはじめとする次世代冷媒およびその適用技術の開発を推進していきます。これにより、モントリオール議定書キガリ改正における日本のHFC生産・消費量削減目標やパリ協定における日本のHFC排出削減目標の達成に貢献します。水循環歴史と背景世界的に増大する水需要 人口増加や都市化・工業発展、地球規模での温暖化や干ばつの進行などにより、世界の水需要は増大を続けています。加えて、水環境・衛生環境の悪化や、高度な産業の確立に不可欠である良質な工業用水の不足など、水質に対する需要も増大しています。水需要の増大に伴い、2013年には約73兆円だった「世界の水ビジネス」市場が、2020年には89兆円にまで拡大するとの見通しも示されています。 このような状況の下、世界では水メジャーと呼ばれる水関連企業に加え、新規企業の参入によって国際競争は激しさを増しています。政府が「新成長戦略」におい図37◉ 世界の水ビジネス市場の推移出典:Global Water Market 2017(1$=110円換算)、「再生水」についてはGlobal Water Market 2014を基に、一部NEDO試算出典:Global Water Market 2017(1$=110円換算)を基に、NEDO作成上水道網下水道網水源開発(脱塩を除く)浄水プラント汚泥処理下排水処理プラントOPEX(事業運営費)CAPEX(資本的支出)(年)(年)

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