NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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Chapter 2  産業技術分野ロボット・AI技術 NEDO 40年史 153成事業として実施しました。また、未活用領域でのロボット導入コストの2割削減を目標に、広い用途で共通に使えるプラットフォームとしてROS(Robot Oper-at ing System)などのOSS(Open Source Software)をベースにしたロボット共通ソフトウエア技術を開発するとともに、これに対応した7種類のロボットハードウエアを開発しました。開発ソフトウエアと、これを用いたシステム構築で考慮すべき安全やライセンスなどに関するガイドをウェブサイトで公開しました。現状と課題広がる活用領域と業界の変化 世界の産業用ロボット販売台数は2018年に約42万台で、2013年からの5年間で約2.4倍に増加しています。日本は引き続き世界一のロボット生産国ですが、導入台数では中国が既に日本の約3倍に達しています注5)。また、欧米でも新興企業が台頭してきています。 このように、日本のロボット産業は極めて厳しい競争環境にさらされており、中長期視点に立って支援することがますます求められています。そこで、日本が産業用ロボットにおける重要技術について世界をリードし続けていくことを目指し、NEDOは2020年度に「革新的ロボット研究開発基盤構築事業」を開始しました。本事業では、ロボット未活用領域にも対応可能な産業用ロボットの実現に向けて、産学連携による研究開発を支援します。 ロボットを使う側にも変化を示す動きがあります。例えば、2018年7月に初のロボット・FA(Factory Automation)システムの構築などを行うシステムインテグレータ(SIer)の初の共通基盤組織として「FA・ロボットシステムインテグレータ協会(SIer協会)」が設立されました。また、2019年11月にはロボットのユーザーやシステムインテグレータなどが参加し、「ロボットフレンドリーな環境」を検討する「ロボット実装モデル構築推進タスクフォース」を経済産業省とNEDOが立ち上げました。 ロボットの市場拡大に向けては人材育成も大きな課題です。NEDOは2010年以降、継続的にNEDO特別講座としてロボット事業に関わる人材育成を着実に進めています。図8◉ 世界の産業用ロボット導入台数の推移出典:International Federation of Robotics「World Robotics 2019」を基にNEDO ロボット・AI部作成0100200300400500(千台)(年)201320142015201620172018178221254304400422注5)出典:International Feder­ation of Robotics, World Robotics 2019

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