NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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Chapter 2  産業技術分野ロボット・AI技術 NEDO 40年史 155ドローン分野歴史と背景「空の産業革命」実現に向けた技術開発 ドローンは、農作業・警備・監視・点検・物流・災害対応といった様々な用途が提案されており、民間企業による新たなサービス・事業によって国民生活の利便性や質の向上が期待されています。 日本では、2015年4月から「小型無人機に関する関係府省庁連絡会議」が開催されています。また、「空の産業革命」ともいわれる新産業の創出に向けた環境整備のため、2015年12月に「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」が内閣官房に設置されました。 このような取り組みを受けて、2017年6月に閣議決定された「未来投資戦略2017」において、ドローンなどの小型無人機の産業利用拡大に向けた環境整備として、2020年代には人口密度の高い都市でも安全な荷物配送を本格化させるため、目視外飛行や第三者上空飛行など高度な飛行を可能とするための技術開発と制度的対応を進めることが示されました。 こうした動きに対応して、NEDOはインフラ維持管理・更新向けのロボット・ドローンの技術開発での実績を基に、ドローンが空を飛び交う社会の実現に向けた技術開発・社会実装に取り組んでいます。 最近10年の主なプロジェクト❖ インフラ維持管理・更新等の社会課題対応システム開発プロジェクト/研究開発項目〔4〕ロボット性能評価手法等の研究開発 [ 2016〜2017年度 ] 「無人航空機を活用した物流」 「無人航空機や水中ロボットを活用したインフラ点検」 「無人航空機や陸上ロボットを活用した災害対応」などをテーマに、今後活躍が期待されるドローンなどの各種ロボットについて、求められる性能基準や安全基準などを明らかにし、その基準を測定する試験方法の開発を行いました。 ❖ ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト [ 2017〜2021年度 ] 「空の産業革命に向けたロードマップ」の技術開発項目に示されている、性能評価基準、運航管理システム、衝突回避技術の開発や実証検証とともに、これらの研究開発成果を速やかに国際標準(ISO/TC20/SC16)の国内委員会へ提案することを目的に推進しています。 福島RTFとの連携・環境整備も重視しており、飛行試験などの実施に加えて、地域の人材育成なども見据えた自治体(福島県・南相馬市)との協力協定を締結しています。 2019年10月には福島RTFにおいて29の事業者が参加し、1時間に100フライト以上の飛行試験に成功しました。本試験では、システムへ接続するためのAPI(API:Application Programming Interface)の仕様書を公開し、プロジェクトに 参加していない多数の実施者も参加しました。

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