NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
159/288

Chapter 2  産業技術分野ロボット・AI技術 NEDO 40年史 157AI分野歴史と背景急速な発展を遂げるAI技術 近年、計算機の性能の高まりによる計算速度の大幅な向上によって、機械学習、特にディープラーニング(深層学習)が急速に進展し、AI分野に第3次ブームが訪れています。進化を続けるAIは様々な分野への応用が予想されることから、「Society 5.0」の中核的な技術分野として多くの業界から注目を集めています。 また、世界各国ではAIの開発と利用の促進に向け様々な技術戦略が策定されています。日本においても2016年4月に「人工知能技術戦略会議」が設立され、2017年3月に「人工知能技術戦略」を策定し、開発目標と産業化のロードマップが公表されています。その後、2019年に「人間中心のAI社会原則」と「AI戦略2019」が策定され、AI開発に必要な条件や産業応用から人材育成に至るまでの基本戦略が示されました。 NEDOは人工知能技術戦略会議が設立される前年の2015年に、次世代のAI技術と革新的なロボット技術の研究開発を行うプロジェクトを開始しました。2016年度の人工知能技術戦略会議の設置に伴い、「ロボット・機械システム部」を「ロボット・AI部」へと改称するとともに、「AI社会実装推進室」を設置しました。同年には「次世代人工知能技術社会実装ビジョン」を発表し、2018年には「人工知能技術戦略」において重要分野と指定された「生産性」 「健康、医療・介護」 「空間の移動」に対して、研究開発と社会実装を目的とした2つのプロジェクトを開始しました。さらに、社会人技術者や研究者を対象に、AI技術を活用して新たな事業・産業を創出する力を持つ即戦力人材を育成するための教育プログラム「AIデータフロンティアコース」を2017年度に開講しました。図12◉ AIの産業化のロードマップ出典:人工知能技術戦略会議「人工知能の研究開発目標と産業化のロードマップ」

元のページ  ../index.html#159

このブックを見る