NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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40th158 NEDO 40年史 最近10年の主なプロジェクト❖ 次世代人工知能・ロボット中核技術開発 [ 2015〜2019年度 ] 2015年に日本が打ち出した「ロボット新戦略」では、「次世代に向けた技術開発」のアクションプランを示し、革新的な次世代技術の研究開発を推進することが必要であるとしました。これを受け、NEDOはそれまでのAIやロボット関連技術の延長上にとどまらない、革新的なデータ取得・認識・推論技術、センサーやアクチュエーターなどの要素技術を研究開発のため、同年に「次世代人工知能・ロボット中核技術開発」プロジェクトを開始しました。 その後、「人工知能技術戦略」の方針も踏まえ、プロジェクト自体も社会のシーズ・ニーズに応じて進化し続け、5年間で合計126テーマに及ぶ研究開発により、世界初を含む数多くの研究成果を創出しました。加えて社会実装に積極的に取り組み、創業間もないAIスタートアップの支援事業を展開するとともに、プロジェクト成果をコア技術とする10社以上のスタートアップを生み出しました。❖ 次世代人工知能・ロボットの中核となるインテグレート技術開発[ 2018〜2023年度 ] 「生産性」や「空間の移動」などの重点分野におけるAI技術の社会実装の実現に向けた研究開発プロジェクトを2018年度から推進しています。近年、「交通」 「プラント」 「発電」 「土木」 「流通」といった新たな領域へのAI導入を加速することが必要とされています。そこで、AI技術の開発・実証に加えて、より広い分野・領域でAI技術を短期間で導入・構築することを目的としています。 例えば、教師データを作成するアノテーション作業の自動化、学習モデルの精度向上に必要な最適ハイパーパラメータの探索高速化、導入加速に向けた機械学習の自動化技術などの開発を進めています。さらに、施策の仮説立案を支援する経営支援システムや、ものづくり現場の熟練者の判断をモデル化することで非熟練者の判断を支援するAI技術など、幅広い共通基盤技術の開発・実証を進めています。 すべての研究開発テーマをアジャイル型開発手法で進め、次世代AI技術の導入<道具の機能を認識するロボット><人の手に近い、高性能かつ堅牢性を備えた5本指ロボットハンド>図14◉ 「次世代人工知能・ロボット中核技術開発」ロボット技術開発の成果事例図13◉ 「次世代人工知能・ロボット中核技術開発」におけるAI研究開発の取り組み実世界に埋め込まれる人工知能生産性【製造業】異常・故障予測変種変量生産【サービス業】現場の計測と可視化現場からの改善支援健康、医療・介護診断支援個人化治療疾病リスク予測疾病要因同定創業支援・加速安心・安全防災計画策定支援災害対応支援被災域推定避難誘導空間の移動移動の効率化移動の質の向上自律移動支援企業スタートアップ技術移転共同研究起業技術移転フィードバック国内外の大学・研究機関等と連携した国内最大の研究拠点(客員研究員・クロスアポイントメントフェロー・リサーチアシスタントなど)①大規模目的基礎研究・先端技術研究開発機械学習・確率モデリングの高度化次世代脳型人工知能データ・知識融合型人工知能③次世代人工知能共通基盤技術研究開発③次世代人工知能共通基盤技術研究開発生活現象モデリング地理空間プラットフォームAIを基盤としたロボット作業②先進中核モジュール研究開発②先進中核モジュール研究開発観測データ収集認識・モデル化・予測自然言語理解行動計画制御②次世代人工知能フレームワーク研究科学技術研究加速

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