NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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Chapter 2  産業技術分野IoT・電子・情報技術 NEDO 40年史 165❖ Connected Industries推進のための協調領域データ共有・AIシステム開発促進事業 [ 2019〜2021年度 ] データを巡るグローバル競争の主戦場は、バーチャルデータからリアルデータを活用したビジネスに移行しています。日本の強みである現場の良質なデータを生かし、データを介して機械、技術、人などがつながることで、新たな付加価値創出と社会課題解決を目指す「Connected Industries」の実現が重要です。 本プロジェクトでは、まず企業の垣根を越えた、協調領域におけるデータ共有・連携を促進し、そのデータをAIなどの先端技術を用いて利活用することで、世界的に競争力があるデジタルサービスを創出することを目指します。具体的には、事業者間のデータ共有プラットフォームの本格構築を支援し、協調領域データの利活用環境を整備します。同時に、そのデータなどを用いた国際競争力のあるAIシステムの開発を支援します。❖ 次世代プリンテッドエレクトロニクス材料・プロセス基盤技術開発 [ 2010〜2018年度 ] 本プロジェクトは、省エネルギー・大面積・軽量・薄型・フレキシブルを実現するプリンテッドエレクトロニクス技術によって産業競争力を強化し市場を創出する目的で開始されました。2010~2015年度の第Ⅰ期では、フレキシブルなフィルム基板上に高精細な電子回路を印刷法で作製する技術を開発し、世界初の印刷技術だけによる一貫試作ラインを構築しました。2016~2018年度の第Ⅱ期では、IoT用デバイスへの適用に向け、印刷法による多品種・量産を可能とする基盤技術を開発し、多くのユースケース実証のオファーを獲得しました。プロジェクト終了後には、委託先の次世代プリンテッドエレクトロニクス技術研究組合の後継である開発体制として、FIoT(Flexible IoT)コンソーシアムが2019年4月に設立されました。PF:プラットフォーム図4◉ データ共有プラットフォーム構築およびAIシステム開発の支援社会課題解決型のAI開発リアルデータの共有・連携AIシステムデータ共有プラットフォームAIベンチャー主体大手企業を含めた多様な企業の参画【取組事例】・防犯・家畜・モニタリング(インフラ監視)などの業界横断型の異音検知AIの開発・液体や粉末の秤量など、複雑な動作を可能とするロボット用AIの開発・異業種間での共同配送のため、物流用パレットのデータを用いた最適なマッチングを実現するAIの開発【取組事例】・AIによるバイオ生産システムを実現するため、バイオ系主要企業4社が微生物および培養データを共有・より精度の高いプラントの腐食予測を行うために、プラントの運転・点検記録などの設備データを業界全体で共有大企業A海外データPF他業界データPF大企業B…図5◉ フレキシブルTFTアレイシート図6◉ 圧力センサー(面内の圧力を緻密にセンシング)図7◉ センシングウエアのイメージ(テキスタイルに印刷した配線(右))

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