NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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Chapter 2  産業技術分野IoT・電子・情報技術 NEDO 40年史 167エアとも連動し、革新的なコンピューティング技術によって情報産業の発展を支える、新しい視点での研究開発の実施が必要と考えられます。 そこでNEDOは、2016年度からIoT社会の基盤となる各種技術の高度化に向けた研究開発を推進するとともに、2018年度からはこれらの社会課題を見据え、① 集約型のシステム(クラウドコンピューティング)に対して、分散型でAIなどを用いた高度な情報処理をエッジ領域で実施する、革新的なAIエッジコンピューティング技術の開発② 量子コンピューティングや脳型コンピューティングなど、既存技術の延長にない新しい技術による、10年先の社会を見据えた次世代コンピューティング技術の研究開発を新たに実施しています。具体的には、AIエッジコンピューティングの実現に向けて必要となる、専用チップやセキュリティーといった各種要素技術の研究開発を進めます。加えて、日本初となる量子アニーリングコンピューターの実用化に向けて、オールジャパンでの研究開発体制を整え、基盤技術の確立に目処をつけるなど、本プロジェクトを通じて日本の情報産業のさらなる発展に向けた研究開発を推進しています。図10◉ AIエッジコンピューティングの実現に向けた要素技術既存ハード新アーキテクチャ新デバイスリコンフィギュラブルデバイスによるコンピューティング技術CPU・FPGAなど※開発対象外演算処理量の軽量化を実現するAI組込みコンピューティング技術エッジデバイスのセキュリティー技術及びその評価技術エッジコンピューティング向けリアルタイムソフトウエア制御技術1. 専用チップ(AIアクセラレータ、SoCの開発)2. コンピューティング技術(OS、コンパイラー、ツールなど、開発環境の開発)3. セキュリティー基盤(エッジ向けセキュリティー)多数の分岐ノードを有するAIアルゴリズム処理を高性能化するコンピューティング技術不揮発性素子等のスイッチング機構を用いたコンピューティング技術図12◉ 量子コンピューティング実現のためのオールジャパン体制図11◉ 日本初の量子アニーリングマシンイメージイジングマシン共通ソフトウエア基盤の研究開発ソフト・アプリ量子プロセッサー量子・古典インターフェース超電導体・半導体技術を融合した集積量子システムの開発超電導パラメトロン素子を用いた量子アニーリング技術の研究開発シリコンエレクトロニクス(クライオCMOS)超電導量子アニーリングマシン超電導汎用量子アニーリングコンピューターデジタル・アナログ制御回路アプリ共通ソフトウエア基盤ミドルウエア様々なイジングマシンや量子ハードウエアを動作させるための、共通ソフトウエア基盤、およびアプリケーション探索に関する研究開発共通ソフトウエア基盤と量子プロセッサーとをつなぐ量子・古典インターフェース修正回路、および革新的アーキテクチャによる超電導ゲート型量子コンピューターの開発日本で生まれた高性能なパラメトロン型超電導量子アニーリングマシンの開発

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