NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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Chapter 2  産業技術分野IoT・電子・情報技術 NEDO 40年史 169光エレクトロニクス❖ 超低消費電力型光エレクトロニクス実装システム技術開発 [ 2013〜2021年度 ] 本プロジェクトでは、情報処理機器の省電力化と高速化を目的に、電子機器間の配線に光を用いる光配線技術と電子回路技術を融合させた光電子融合システム技術を実現します。2013~2017年度の第Ⅰ期・第Ⅱ期で実装基盤技術を確立し、100Gbpsのイーサネット伝送を可能とするデジタルコヒーレント技術を用いた小型光トランシーバの実用化に成功しました。また、シリコン基板上に光デバイス構造を作り込み、集積するシリコンフォトニクス技術を用いた、超小型の光トランシーバチップの実用化に成功しました。この成果を元に、委託先の技術研究組合光電子融合基盤技術研究所から分社化したアイオーコア株式会社において事業化に取り組んでいます。2018~2021年度の第Ⅲ期では、10Tbpsを想定する高密度光データ伝送、従来比で1/10を目指す省電力化を実現するシステム化技術開発に取り組んでいます。現状と課題新たな技術開発に向けて NEDOは、IoT・AI・ビッグデータを活用し社会の課題を解決するという目的に向けて、実社会のデータを収集、蓄積、解析し、制御・サービスとして実社会に適用・フィードバックするという一連のサイクルにおいて、各段階での研究開発を実施してきました。また、省電力・高速処理を可能にする電子デバイスや、すべての段階におけるセキュリティー確保を柱とした分野横断的な技術開発など、ハードウエア・ソフトウエア両面からの開発を推進しています。 日本は、企業の優れた「技術力」や大学などの「研究開発力」、高い教育水準の「人材」、ものづくりや医療といった「現場」から得られる豊富な「リアルデータ」などの点で恵まれた状況にあります。ただし、こうした強みを経済・社会システムの革新や新ビジネスの創出にスピード感を持って活用できているとは言い難い状況です。また、コンピューティング分野においては、市場変化への対応が遅れたことな図16◉ 超小型光トランシーバチップのシステム化のイメージ第Ⅰ期と第Ⅱ期の主な成果小型デジタルコヒーレントトランシーバー超小型光トランシーバチップ超小型光トランシーバ5mmサーバー間光配線データセンター超小型光トランシーバ付きFPGAアクセラレータ実装システム化技術の実用化イメージ超小型光トランシーバ

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