NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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Chapter 2  産業技術分野材料・ナノテクノロジー NEDO 40年史 177からの第2期は、さらに高性能な磁石開発にターゲットを絞り、高温下性能2倍という目標に迫る実用磁石の試作に成功しています。一方、基盤技術として高性能磁石の性能を発揮する高効率で小型化可能なモーターの設計・実証技術の開発を進め、損失の40%削減と40%小型化を目指しています。後者プロジェクトは供給の一部途絶といった希土類の調達リスク低減に向けて、希土類の使用量を削減またはゼロにする技術開発、あるいは低品位のために現在未利用となっている希土類資源によって代替しつつ現状以上の性能を発現する技術開発を進めています。❖ 超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト [ 2016〜2021年度 ] 日本の機能性材料は世界的に高いシェアを有する、日本の産業競争力の源泉です。今後も世界トップを維持するために、本プロジェクトでは有機系機能性材料を対象に革新的な機能性材料の創成・開発の大幅な加速化を目指しています。具体的には、マルチスケールシミュレーションなどの計算科学に、構造や機能発現を短時間で計測する技術によるデータ創出や、実際に材料を試作するプロセス技術の高速化を組み合わせ、材料分野において近年盛んなマテリアルズインフォマティクス(MI)を推進していきます。2019年度には、論文などから材料情報をAIで可読な構造化データとして自動抽出するAIツールの開発を開始しました。本プロジェクトで創出したデータに加えて公知材料データをAI学習に活用することにより、MIを活用した材料開発の取り組みを一層加速しています。高性能磁石鉄心(軟磁性材料)次世代自動車家電・産業機器ネオジム磁石の最高性能化新規高性能磁石低損失軟磁性体高効率モーター高性能磁石モーター設計図10◉ 「次世代自動車向け高効率モーター用磁性材料技術開発」プロジェクトの事業概要図図11◉ 新規開発磁性材料を組み込んで試作した高効率モーター提供:高効率モーター用磁性材料技術研究組合(MagHEM)図12◉ 超高精度モーター損失分析評価装置提供:MagHEM

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