NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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40th180 NEDO 40年史 ❖ 機能性化学品の連続精密生産プロセス技術の開発 [ 2019〜2025年度 ] 2020年1月に統合イノベーション戦略推進会議で決定された「革新的環境イノベーション戦略」における「製造技術革新・炭素再資源化による機能性化学品製造の実現」の中では、2025年までに従来の主流であるバッチ法を革新してフロー法による精密生産を可能とし、大幅な省エネルギーとコスト低減の実現を目指すことになっています。本プロジェクトはこの目標に向けて、大学、研究機関、化学企業が連携し、副生物の少ない新規触媒開発や省エネルギー型膜分離プロセス、溶媒リサイクルなどの要素技術開発を進め、省エネルギーで廃棄物の少ないプロセスの確立に取り組んでいます。研究開発の成果が実用化されれば、生産プロセス転換により2030年に廃棄物144万t/年の削減、CO2排出491万t/年の削減といった効果が期待されます。現状と課題主要各国が材料開発やMIに投資 素材産業は日本の輸出総額の2割強を占める主要な産業で、世界市場の過半シェアを占める製品が約8割存在するなど、日本が強い競争力を持つ分野の1つです。また近年では、「Society 5.0」の実現やSDGs(持続可能な開発目標)の達成、新図20◉ 「有機ケイ素機能性化学品製造プロセス技術開発」の概要エレクトロニクス建設・建築電力・ケーブルヘルスケア・医療自動車開発コーティング有機ケイ素部材の用途例現行技術Si金属革新的触媒技術還元酸化低物性(ランダム構造・コンタミ)Pt触媒(枯渇の懸念)多量の無機廃棄物エネルギーを大量に消費物性向上(構造制御・コンタミ防止)安価な代替触媒(鉄・ニッケルなど)廃棄物低減プロセス直接変換省エネルギー低コスト砂(ケイ石)SiO₂有機ケイ素原料有機ケイ素部材シリコーンシランカップリング剤ポリシラン類・反応から分離精製まで連続操作・必要に応じモジュールを組み替えることで、多種多様な機能性化学製品の製造に対応可能モニタリング制御モジュール製品溶媒リサイクル分離・精製モジュール反応モジュール原料A触媒+フロー反応器B触媒+フロー反応器連続抽出連続溶媒リサイクル図21◉ 連続精密生産プロセスのイメージ

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