NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
193/288

Chapter 2  産業技術分野戦略的イノベーション創造プログラム NEDO 40年史 191<第1期の主な取り組み>▶ 次世代パワーエレクトロニクス [ 2014〜2018年度 ] パワーエレクトロニクスは省エネルギー化のためのキーテクノロジーです。シリコン(Si)を原料とするデバイスの一部や高性能な半導体モジュールの領域で、日本企業は高いシェアを有しています。一方で物質特性上Siを上回り、次世代材料とされる炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)は、欧米やアジア各国でも開発が加速しています。そこで本事業では、SiCやGaNなどの次世代材料を中心に、次世代パワーエレク管理法人として プログラムの運営支援を実施 「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」は、2013年6月に閣議決定された「科学技術イノベーション総合戦略」と「日本再興戦略 ─JAPAN is BACK─」に基づいて創設されました。SIPの特徴は、府省・分野の枠を超えて基礎研究から出口(実用化・事業化)まで見据えた取り組みを推進することです。そのために、総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)が司令塔機能を発揮し、社会的に不可欠で日本の経済・産業競争力にとって重要な課題を選定し、自ら予算を配分します。これまでに第1期11課題、第2期12課題があり、課題ごとにCSTIが定めるプログラムディレクター(PD)が取り組みを推進します。そのうち、NEDOは第1期で5課題、第2期では4課題について、管理法人として単独あるいは他機関と合同で研究開発の進捗管理など、当該プログラムの運営を支援しています。図1◉ 「次世代パワーエレクトロニクス」の全体像トロニクス技術のさらなる適用領域の拡大や普及促進を目指し、次世代ウエハ技術、超高耐圧デバイス技術と次世代デバイスの特性・優位性を生かすためのモジュール技術、回路技術、制御や保護といった使いこなし技術とその応用や周辺技術を含むシステム技術まで、一気通貫の技術開発に取り組みました。▶ インフラ維持管理・更新・マネジメント技術 [ 2014〜2018年度 ] 高度経済成長期に建設されたインフラの高齢化が進む中で、重大な事故リスクの顕在化や維持管理・更新費の急激な高まりが懸念されています。しかし、熟練技術者の減少といった課題が生じており、事故を未然に防ぎ維持管理・更新の負担を減らすため、新技術の活用によりシステム化したインフラマネジメントの必要性が高まっています。本事業では、インフラの維持管理に関わるニーズと技術開発のシーズとのマッチングを重視し、新しい技術を現場で使える形で展開することで、予防保全による維持管理水準の向上を低コストで実現することを目指しました。これにより、国内重要インフラを高い維持管理水準に維持するだけでなく、魅力ある継続的な維持管理市場を創造するとともに、海外展開を後押ししました。▶ 重要インフラ等におけるサイバーセキュリティの確保 [ 2015〜2019年度 ] サイバー攻撃の脅威は切実な問題であり、強固なサイバーセキュリティの確保による世界で最も安心・安全な社会基盤の確立が必達の課題です。そこで本事業[ Topic ]SIP:Cross-ministerial Strategic Innovation Promotion Program戦略的イノベーション創造プログラム図2◉ 橋梁での実証実験

元のページ  ../index.html#193

このブックを見る