NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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40th192 NEDO 40年史 では、重要インフラなどにおけるサイバーセキュリティを確保するために、重要インフラサービスの安定運用を担う制御ネットワークや制御ネットワークを構成する制御・通信機器のサイバー攻撃対策として、制御・通信機器に対し、機器やソフトウエアの真正性、完全性を確かめるセキュリティ確認技術、制御・通信機器や制御ネットワークの動作監視・解析技術と防御技術を研究開発しました。また、今後普及・拡大が見込まれるIoT(Internet of Things)システムのセキュリティ確保に向けて、これらの技術を拡張するとともに、セキュリティ人材の育成に取り組みました。▶革新的設計生産技術[ 2014〜2018年度 ] 近年、国際競争の激化による製造現場の海外流出や新興国の躍進、製品のコモディティ化などの要因を背景に、日本のものづくり産業の競争力が失われつつあるとの懸念があります。そこで本事業では、設計や生産・製造に関する革新的な技術の開発などを行い、地域の企業や個人が持つアイデアや技術・ノウハウを活用し高付加価値な製品やシステム、サービスを生み出す、新たなものづくりスタイルを確立することにより、日本のものづくり産業の競争力強化を目指しました。▶自動走行システム/大規模実証実験[ 2017〜2018年度 ] 日本では、交通死亡事故件数全体が減る中でも、高齢者による自動車運転中の交通死亡事故件数の増加傾向、また渋滞緩和、環境負荷低減などへの対応が急務となっています。解決策として自動走行への期待は大きく、関連市場の拡大も見込まれています。本事業では、自動走行システムの実用化に向け実証が必要と想定される「ダイナミックマップ」 「HMI(Hu man Ma chine Inter face)」 「情報セキュリティ」 「歩行者事故低減」 「次世代都市交通」の重要5課題に関して、NEDO事業参画以前に開発された技術と本事業で開発した技術の大規模実証実験を2017年度に開始しました。国内外の自動車メーカーや関係企業、大学などの研究機関が開発してきた自動走行システムに関連する各技術を用いた実証実験を行い、技術開発の活性化、研究開発成果の評価・課題抽出、実用化への見極め、国際連携・協調の先導、社会受容性の醸成を行いました。<第2期の主な取り組み>▶ビッグデータ・AIを活用したサイバー空間基盤技術[ 2018〜2022年度 ] 「Society 5.0」を具現化するには、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合するCyber Physical Systems(CPS)の社会実装が不可欠です。本事業ではビッグデータ・AIに関する基盤技術として、人とAIの協働により人の認知・行動を支援・増強するヒューマン・インタラクション基盤技術、分野間データ連携基盤技術、AI間連携基盤技術を開発しています。開発した基盤技術については有効性検証を行います。「人工知能技術戦略」とその産業化ロードマップで図3◉サイバーセキュリティを確保する仕組み図4◉「革新的設計生産技術」の概要図5◉「ビッグデータ・AIを活用したサイバー空間基盤技術」の概要

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