NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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Chapter 2  産業技術分野戦略的イノベーション創造プログラム NEDO 40年史 193示されている「生産性」 「健康、医療・介護」 「空間の移動」の重点3分野を念頭に、日本が質の高い現実空間の情報を有する領域や解決すべき社会課題の領域で、複数の現場などでのデータ収集、プロトタイピング、技術実証・評価を実施します。こうして複数の実用化例を創出することで、ビッグデータ・AI を活用した新たなビジネスモデルの誕生を促進します。▶ フィジカル空間デジタルデータ処理基盤[ 2018〜2022年度 ] 「Society 5.0」の実現には、質の高い様々な情報を有する日本の現場(フィジカル空間)からのデータを高度・高効率に収集・蓄積し、サイバー空間と高度に融合させる連携技術(CPS)の構築が必要とされています。求められるCPS構築には、リアルタイム性、制御性、超低消費電力性などに重点を置いたハードウエア技術やシステム化などの統合技術の開発が必要であり、その上で新たな共通基盤としての体系化が重要です。ただし、フィジカル空間処理の高コストや日本のIT人材不足が非常に深刻な問題となっています。そこで本事業では、容易にサイバー空間とフィジカル空間を連携させることができる、エッジに重点を置いたプラットフォーム(エッジ PF)を開発し社会実装します。そして、フィジカル空間処理のコストを大幅に削減し、日本の中小・ベンチャー企業を含む産業界に貢献していきます。▶ IoT社会に対応したサイバー・フィジカル・セキュリティ [ 2018〜2022年度 ] 産業システムや生活環境などのフィジカル空間に埋め込まれたIoT機器は、多様なネットワークを介してクラウドなどのサイバー空間と連結されています。さらに、高度な知識処理や分析・解析処理と連携することで、様々な付加価値を創出しフィジカル空間である経済社会に多大な恩恵をもたらします。一方、IoTの普及・拡大に伴ってサイバー攻撃の脅威があらゆる産業活動に潜みつつあります。製品やサービスを製造・流通する過程で不正なプログラムの組み込みや改造が行われるサプライチェーンリスクといった課題も顕在化しています。そこで本研究開発では、IoTシステム/サービスや中小企業を含む大規模サプライチェーン全体を守る「サイバー・フィジカル・セキュリティ対策基盤」を開発し、実稼働するサプライチェーンに組み込み実用化することで、サイバー脅威に対するIoT社会の強靭化を図ります。▶ 自動運転(システムとサービスの拡張)[ 2018〜2022年度 ] 交通事故の低減や交通渋滞の削減、高齢者や移動制約者の方々のモビリティの確保、物流・移動サービスのドライバー不足の改善・コスト低減といった社会的課題の解決に加え、新たなサービスやビジネスの創出など、自動運転による社会変革への大きな期待があります。本事業では、自動運転を実用化と普及拡大によって社会的課題の解決に貢献し、すべての人が質の高い生活を送ることができる社会の実現を目指します。図7◉ 「サイバー・フィジカル・セキュリティ対策基盤」のイメージ図8◉ 「自動運転」の全体構想図6◉ 「フィジカル空間デジタルデータ処理基盤」の研究概要

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