NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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40th204 NEDO 40年史 した。また、2014年から経済産業省と共に主催している「Innovation for Cool Earth Forum(ICEF)」のほか、各国政府・機関などとのイベントの共催や、「東方経済フォーラム」といった各国で実施されるイベントへの参加、各国政府関係者との会談などを通じ、情報交換や人的交流を中心としてコネクションを強化し、ネットワークを拡大しています。そのほか、在京大使館との関係構築も積極的に推進しています。 こうした関係構築を基に、様々なニーズやインフラ事情を抱える世界各国、各地域に日本の優れた技術を届けています。さらに、技術開発を進めるため、あらゆる技術を組み合わせた「オールジャパン」の先陣として、国際的な協力関係を築きながら研究開発の促進・実証事業を積極的に海外展開しています。 最近10年の主なプロジェクト❖ Innovation for Cool Earth Forum(ICEF) [ 2014年〜 ] ICEFはエネルギー・環境分野のイノベーションによる気候変動対策について協議を行う場として、安倍首相(当時)の提唱で発足した国際会議です。2014年以降、経済産業省とNEDOが主催して、毎年、フォーラム(年次総会)を開催しています。フォーラムには世界の学界、産業界、政府関係者が参集し、世界の先進的な知見が共有されるとともに、脱炭素化社会に寄与する特定の技術分野についての協議も行われます。これまで500人以上の有識者が登壇し、例年、約80カ国から約1,000人の来場者があります。 ICEFではフォーラムの開催に加えて、①産学官それぞれが果たすべき役割や国際協力の必要性に言及した「ステートメント」の発表、②革新的な技術の開発・普及に向けたビジョンの共有と議論促進のための「ロードマップ」の作成、③エネルギー・環境分野の優れた技術やビジネスモデルの事例である「トップ10イノベーション」の選定を実施し、成果としています。ICEFのフォーラムでの議論や成果の内容は、日本の政策や国際機関のレポートにも引用されています。 また、COPやその他国際会議のサイドイベントにおいてもICEFの成果を世界に発信することで、気候変動問題の解決に向けて貢献しています。 最近の主な国際連携❖ 国際協定 ▶ 米国:米国国立標準技術研究所(NIST)とロボット技術の研究開発に関する協力を進めることに合意し、協力覚書を2018年1月に締結しました。▶ タイ:2017年7月にタイ王国科学技術省国家イノベーション庁(NIA)と「イノベーションおよび技術研究開発における協力に関する基本協定書」を締結しました。2020年7月には2度目の延長手続きを行いました。▶ 中国:2017年12月、中国国家発展改革委員会(NDRC)との間で、省エネルギー・環境分野における協力を深化させることに合意し、覚書に署名しました。また中国科学院(CAS)とも基本合意を締結し、連携を深めています。▶ ロシア:2016年9月にロシア連邦技術発展庁(ATD)と協力覚書を締結しました。エネルギー・環境や産業技術などの幅広い分野での情報交換を進め、企業間図14◉ ICEF年次総会本会議の様子図15◉ COP25公式サイドイベントでの報告の様子

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