NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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40th206 NEDO 40年史 次世代シーズの発掘歴史と背景シーズ発掘から事業化までをシームレスに 日本の産業競争力強化に向けた優れた技術開発を進めるには、ロードマップに沿ってナショナルプロジェクトを実施することに加え、分野を限定せずに広くアイデアを公募して、リスクが大きくても有望な技術開発を支援していくことが有効です。NEDOはそのために、分野横断的な事業として「テーマ公募型事業」を実施してきました。同事業では、重点的な技術分野のほか、新しいアイデアを若手研究者や企業から広く募り、シーズ発掘から事業化までをシームレスに支援しています。 同時に、産業界において研究開発投資を事業化のための応用研究に集中する傾向があることを踏まえ、長期的で高リスクである産業技術のシーズ発掘・研究開発、産業技術研究人材の育成を、大学や研究機関が担うことを期待し、NEDOは2000年度から「先導的産業技術創出事業(若手研究グラント)」を実施しました。 その後、日本はイノベーションに関する国際競争力ランキングで2007年の4位から2012年には25位までに急落するなど国際競争力の低下が進んでいます。そうした中、既存技術の延長となる応用研究以上に、次世代の技術開発につながるシーズを発掘し、非連続なイノベーションを積極的に生み出すことの重要性が高まっていました。 そこで、2013年9月に総合科学技術会議で、新たな革新技術のシーズを発掘していくことの重要性や、ハイリスクでもコストの大幅な引下げや飛躍的なエネルギー効率の向上を達成する創造的な技術を創出するため、国が率先して研究開発を行うことの必要性が示されました。さらには、厳しい国際競争環境の中で、民間企業では、リスクが大きく、事業化までに10年以上を要するような研究開発が減少傾向にあるため、そうした研究開発を支援することの必要性が高まったことを受け、2014年度から「NEDO先導研究プログラム」を開始しました。 さらには、これら技術シーズの発掘に加え、企業とともに次世代を担う若手研究者が、企業の求める実用化に向けた目的志向型の研究開発を進めていくことを支援するため、2020年度から「官民による若手研究者発掘支援事業」を立ち上げました。ここでは、研究開発における技術シーズの発掘のみならず人材の育成を進めます。 最近10年の主なプロジェクト❖ 先導的産業技術創出事業(若手研究グラント) [ 2000〜2015年度 ] 産業技術力強化の観点から、大学・研究機関などの若手研究者、または研究チー2.技術開発・実証2-5. 新産業創出・シーズ発掘

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