NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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40th208 NEDO 40年史 大学などと企業が共同研究を実施することを条件とした「共同研究フェーズ」と、企業との共同研究などの機会の創出を目的としたマッチング支援を実施する「マッチングサポートフェーズ」の2事業の公募を実施します。現状と課題未来につながる技術シーズ これまでに若手研究グラントを通じて助成した研究者を対象にアンケート調査を行ったところ、およそ35%が「実用化研究段階」または「事業化段階」に到達していました。そして全体の9割が教授または准教授相当の役職に就いており、研究者個人のキャリアアップにもつながったことが分かります。中でも、例えば「インテリジェント手術室」(東京女子医科大学 村垣善浩教授)や「高品質結晶化技術」(大阪大学 森勇介教授)など、若手研究グラントで培った研究内容を基に新たな国家プロジェクトにつなげた例があり、裾野の広い成果を生み出してきました。 またNEDO先導研究プログラムにおいても、これまでに終了した研究テーマについてその後の研究開発の進捗状況を調査したところ、約半数が国家プロジェクトや民間プロジェクトにつながっていました。全体のうち6割強が研究開発体制を拡充・発展させており、この事業が産学連携を促進していることが分かります。今後と展望技術の原石を磨き続ける NEDOは、これまでも時代の変化に合わせた制度的見直しを重ねてきました。これからも、社会的情勢の変化や技術動向を踏まえながら、技術力強化を通じた新産業の創出や社会的課題の解決を図り、利用者にとっての利便性を向上していくため、制度に関する不断の見直しを行っていきます。今後もこれらの技術シーズが、国家プロジェクトを通じてさらなる発展を遂げ、実用化・社会への実装につながるよう取り組んでいきます。事業終了* 研究開発の成果が産業に応用されること企業*実用化①共同研究フェーズ(若手研究者と企業との共同研究などを支援)助成額 : 3,000万円以内/年助成期間:最大5年(2年で中間評価)5年後共同研究などステージゲート審査企業提案、審査情報共有関心表明提案、審査公募②マッチングサポートフェーズ(若手研究者に対する共同研究などの形成に向けた支援)助成額 : 500万円以内/年助成期間:最大2年(共同研究フェーズに進んだ場合、通算で最大5年)図3◉ 「官民による若手研究者発掘支援事業」のスキーム図4◉ インテリジェント手術室出典:東京女子医科大学図5◉ 高品質結晶化技術で作られたホウ酸系非線形光学結晶出典:大阪大学

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