NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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40th210 NEDO 40年史 (NEP)」、実用化やビジネスに向けてNEDOが認定したベンチャーキャピタルなどと協調支援する「シード期の研究開発型スタートアップ(STS)に対する事業化支援」、数年以内に事業化するための後押しをする「Product Commercialization Alliance(PCA)」、といった各種支援を実施しています。 これらを活用して複数のスタートアップが成長を加速しています。エレファンテック株式会社は、2019年11月に計9社の事業会社などから18億円の資金調達を行うとともに、STSを活用し開発した「フレキシブル基板 P-FlexⓇ」の大型の量産実証拠点を新設し、世界で初めてのインクジェット印刷による電子回路の大型量産を進めています。このようにスタートアップを中心として複数の事業会社が連携して事業化に取り組むことは、事業化まで多くのリソースが必要な研究開発型スタートアップにおいては非常に重要なことであり、一つのモデルケースと言えます。こうした事例を数多く創出することで、経済活性化・新産業創出につなげていきます。 ❖ オープンイノベーション・ベンチャー創造協議会 [ 2014年度〜 ] オープンイノベーション・ベンチャー創造協議会(JOIC)は、民間企業におけるオープンイノベーションの取り組みを推進するとともに、スタートアップ創出の好循環を実現し、イノベーションの創出や競争力の強化を目的に設立され、NEDOが事務局として運営しています。JOICの会員向けに、セミナーやワークショップ、ピッチイベントを開催し、オープンイノベーションの機会を拡大するとともに、JOICでの活動を通じて得た知見を生かして「オープンイノベーション白書」を作成するなど、日本におけるオープンイノベーションの推進に取り組んでいます。❖ J-Startup [ 2018年度〜 ] J-Startupは、実績あるベンチャーキャピタリストやアクセラレーター、大企業の新事業担当者などの外部有識者からの推薦に基づき、グローバルに活躍が期待される優れたスタートアップを「J-Startup企業」として選定し、大企業やアクセラレーターなどのサポーター(J-Startup Supporters)とともに、官民で集中支援を行うプログラムです。NEDOと経済産業省、日本貿易振興機構(JETRO)が事務局となり、運営しています。2020年7月時点で、139社のスタートアップをJ-Startup企業に選定しており、国内外の展示会でのPRや事業推進上の課題の解決を図るなど、日本のスタートアップをグローバルに生み出す仕組みの強化に取り組んでいます。❖ 課題解決型福祉用具実用化開発支援事業 [ 1993年度〜 ] 「福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律」に基づき、高齢者、障害者、介護者のQOL(Quality Of Life)向上を目的とし、優れた技術や創意工夫のある開発に取り組もうとする中小企業などを対象に、ユーザー目線で日常生活において必要とされる福祉用具の研究開発を支援する取り組みです。事業開始から27年経つ息の長い事業ですが、ユーザーに寄り添った福祉用具開発を支援するために、様々な取り組みを行っています。例えば、2010年度からは国立障害者リハビリテ図8◉ 開催のたびに盛況を博しているNEDOピッチの集合写真図9◉ 「オープンイノベーション白書」第三版(2020年5月発刊)図10◉ J-Startupが掲げるミッション図6◉ インクジェット印刷により実際に製造された電子回路図7◉ 量産プラント設置予定の三井化学名古屋工場内の建屋出典:三井化学ニュースリリース

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