NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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40th212 NEDO 40年史 る「S-Matching」、宇宙ビジネス専門人材のマッチングサイトである「S-Expert」を運営するなど、宇宙分野における研究開発型中小企業やスタートアップの活躍を推進しています。現状と課題変化する社会にスピード感のある対応を 国内のスタートアップの資金調達額は、NEDOが「研究開発型スタートアップ支援事業」を開始した2014年度には1,433億円でしたが、2019年度には4,462億円にまで増加しています注1)。様々な政府戦略においてスタートアップ支援やスタートアップとの連携の重要性が掲げられ、NEDOを含む各政府系機関においてスタートアップ支援が行われていることもあり、官民を挙げてスタートアップを後押しする機運が高まっていると言えます。 他方で、こうした社会の動きや各機関での支援の展開に伴い、NEDOを含む政府系機関が果たすべき役割も時々刻々と変化することが想定されます。そのため、真にスタートアップが求める支援を行えるように柔軟に事業の見直しを行うことが必要となります。特に、2020年に発生した新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、事業提携やリスクマネーの供給が停滞することが予想される中で、世の中の情勢変化に対し、スピード感を持って対応していくことが今後の課題となります。また、オープンイノベーションの進展に伴い、出資や事業連携などの際の適正な市場環境の整備を行う必要性が一層高まっていることも挙げられます。今後と展望研究開発型中小企業・スタートアップ支援のハブに NEDOは今後、支援が必要となるフェーズや規模感、市場環境の整備といった観点を踏まえて柔軟に見直しながら、研究開発型の中小企業やスタートアップに対する支援を、一層強化して実施していきたいと考えています。また、いわゆる「アフターコロナ」の時代に対応した事業化支援として、既存のリソースやツールを活用したマッチングの在り方なども検討していきたいと考えています。 例えばNEDOは、スタートアップに対する支援に関連し、13の大学と個別に連携協定を締結しているほか、2020年7月には政府系の9機関での連携協定を締結しており、それぞれの強みを生かしながらシームレスにスタートアップを支援する体制の構築を目指しています。中でも、政府系9機関での連携協定においては、支援情報の共有・整理・発信や個別事業間での相互連携、スタートアップ支援に関するワンストップ相談窓口の創設を目指しています。これにより、さらに支援の輪を広げながら、研究開発型中小企業・スタートアップに対する支援のハブとして機能することを目指します。注1)株式会社INITIALによる「Japan Startup Finance Report 2019」より

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