NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
23/288

Chapter 1  Part 1  エネルギー・環境・産業技術の40年と未来へ向けて NEDO 40年史 21ています。 また近年、重要性を増しているのが、スタートアップ企業です。NEDOは、1995年から20年以上にわたって中小・スタートアップ企業を支援し、近年はスタートアップが自然発生的に連続して生み出される「スタートアップ・エコシステム」の構築に注力するなど、オープンイノベーションを推進するためのハブとしても、様々な活動を行っています。│ 持続可能な社会に向けて │ NEDOが設立以来、取り組んできた様々なプロジェクトの歴史は、多くの企業、大学、研究機関の方々とともに積み重ねてきた歩みです。これらの成果は、社会課題と向き合い、未来を創ってきました。 そして、社会の変化が加速し複雑化する今、持続 可能な社会をより確かなものとするため、NEDOは2020年2月、「持続可能な社会を実現する3つの社会システム」として、「サーキュラーエコノミー」 「バイオエコノミー」 「持続可能なエネルギー」を定義し、それらを表現したシンボルマークを制定しました。持続可能な社会の実現のためには、これら3つの社会システムが、継続的に発展していくことが不可欠です。そして、この決意と思いを産学官の皆様と共に分かち合い、次の世代への礎とするため、次ページからNEDO40年の歴史を振り返り、次の10年に向けた新たな歩みを、進めてまいります。環境技術、近年はカーボンリサイクル技術の開発など、時代の要請に応じて取り組んでいます。これら成果の商用化や普及拡大を通じて、エネルギーの安定供給や地球環境問題の解決に貢献してきました。│ 産業技術力の源泉を探す │ NEDOが取り組むもう1つの大きな柱が産業技術です。ミッションとして「産業技術力の強化」を掲げ、電子・情報や機械システムなど、日本の産業技術力の基盤となるプロジェクトを1988年から進めています。2010年代半ばからは、超スマート社会の実現を目指す「Society 5.0」に向け、NEDOはIoT(Inter net of Things)やビッグデータ、人工知能(AI)、ロボティクスといった分野を推進してきました。 また、材料・ナノテクノロジー分野では、新素材の先駆けとなる技術開発プロジェクトを推進し、2000年代に入って、ものづくり分野でのバイオテクノロジーの活用にも注力するなど、新技術の市場化を後押ししています。 エネルギー・環境問題をグローバルに解決するため、NEDOは海外での技術実証事業にも力を入れてきました。環境汚染の解決や地球温暖化対策など、相手国との信頼関係を築きながら、日本の技術をいち早く世界に届けることにより、課題解決に貢献し▶ 「持続可能な社会を実現する3つの社会システム」のシンボルマーク(ESSマーク)│国際展開とスタートアップ支援│

元のページ  ../index.html#23

このブックを見る